「ハマの番長」横浜残留に傾く、阪神の岡田前監督辞任との関係は?

2008/11/06 23:31 Written by Narinari.com編集部

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今年のFA有資格選手の中でも、その動向が特に注目されていた選手のひとり、横浜の三浦大輔投手。横浜一筋17年(大洋時代を含む)で積み重ねた勝ち星は124勝、背番号「18」を背負うエースの三浦投手は「ハマの番長」との愛称で呼ばれ、ファンに愛されている選手だが、6年契約が切れる今オフに昨年取得したFA権を行使するか否かをめぐり、シーズン中からスポーツ各紙の紙面を賑わせてきた。

仮に三浦投手がFA権を行使した場合、真っ先に獲得に名乗りを上げると報じられてきたのは阪神。三浦投手はかねてから阪神ファンであることで知られ、また、阪神もローテーションを任せられる先発投手を補強ポイントに掲げていることから、「相思相愛」「虎の恋人」として、主に関西系のスポーツ紙がその可能性について盛んに触れていた。

当然のことながら、阪神側や三浦投手本人は具体的なことについては一切口を開いておらず、スポーツ紙が周辺情報からまとめた「飛ばし」「憶測」の域を出ていない話なのだが、11月6日付けのサンケイスポーツが「三浦、横浜残留…出来高など交渉最終段階」と報じたように、現在、この問題は「横浜残留」という決着を見る流れに傾いている。エースの流出を何としてでも避けたいと願っていた横浜ファンには、もうすぐ正式な「朗報」が届くことになりそうだ。

ただ、三浦投手が横浜との交渉を重ねていく中で、FA権行使に気持ちが揺らいでいたのは、本人のコメントからも事実のよう。2日の交渉後には「まだ考えます。悩んでいます。いずれ期限が来るし、その時に宣言する、しないを含めてしっかり話します」(サンケイスポーツより)、3日の交渉後には「悩んでいます。考えています」(デイリースポーツより)と率直にFA権への悩みを告白していた。まだ横浜残留は正式発表されておらず、交渉は詰めの段階のため、三浦投手が残留に傾いた理由は定かではないが、その理由として「阪神の岡田彰布前監督の辞任」が関係しているのではないか、との指摘がネットではチラホラと散見できる。

三浦投手と岡田前監督。所属球団の異なるこの2人に何の関係があるのか。そんな疑問が頭に浮かぶが、実はこの2人の関係の始まりは、三浦投手の中学時代にまでさかのぼる。

奈良県出身の三浦投手は、幼少期を大阪、それも岡田監督の地元で過ごしていた。岡田監督は現役当時、シーズンオフになると近所の子供たちとソフトボールをしていたのだが、そのときのソフトボールチームで抜群の野球センスを見せていた少年がおり、岡田監督の目に止まったそうだ。その少年こそが三浦投手。岡田監督は三浦投手がドラフトにかかる年齢になったときに、球団に獲得を進言したものの聞き入れられず、激怒したというエピソードが残っているほど、三浦投手の才能を買っていたという。

そんな特別な関係の2人。もし岡田監督が辞任していなければ、三浦投手に「岡田監督のもとでプレーしたい」と願う気持ちが芽生えていたかもしれない。もちろん、これがすべてなわけではなく、三浦投手の横浜のエースとしての自覚や球団への愛着、関東から関西への住環境の変化といった家族内の問題なども、横浜残留に傾いた大きな要因なのだろう。ただ、決断に関わるいくつかの理由のひとつに、岡田監督の辞任が少なからず影響を与えた可能性があったとしても、不思議ではなさそうだ。

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