同時間帯で視聴率トップを走る「とくダネ！」（フジテレビ系）を追いかけ、ときにそれを上回る視聴率をたたき出すこともある日本テレビ系の朝の情報番組「スッキリ!!」。お笑い芸人の加藤浩次が司会に起用されてから、「めちゃ2イケてるッ！」（フジテレビ系）などの他局番組でもネタにされることが増え、ジワジワとではあるが視聴率を伸ばしてきた。加藤浩次の見識や司会としての声質を問う声はあるものの、しっかり結果は残してきている。

でも、ここ最近、加藤浩次が「スッキリ!!」を降板するのではないか、と書き立てるメディアが目立ってきた。その背景にあるのは、加藤浩次がサッカー番組の取材で「スッキリ!!」を欠席したり、放送中に退席して「めちゃイケ」の仕事に出かけたことを、批判的に捉える勢力が少なからずいるからだ。

そうした中、現在発売中の「週刊新潮」が加藤浩次の「スッキリ!!」降板を断定的に報じ、さらに後任司会者は陣内智則で内定したとの記事を掲載している。“日本テレビ関係者の話”を中心にまとめられているこの記事では、加藤浩次が降板するのは来年4月の改編時、つまりは来年3月いっぱいで降板することが内定したという。当初、吉本興業は日本テレビ側に翻意を求めたものの、決定が覆らないと見るや、後任として陣内智則を強く推してきた、としている。

陣内智則といえば、よみうりテレビで放送されている情報番組「なるトモ！」の司会を9月に降板したばかり。その理由は妻・藤原紀香と生活する東京から大阪まで通うのが苦痛になったからだと言われているが、もし加藤浩次の降板によって「スッキリ!!」の司会のポストが転がり込んでくるなら、まさに渡りに船といったところだろう。

ただ、この報道を懐疑的に見る向きもある。そもそも加藤浩次は「スッキリ!!」に起用される以前から売れっ子のお笑い芸人で、ほかの仕事で抜けることがあるのは日本テレビ側も織り込み済みのはず。そして何よりも、視聴率が伸びているのは加藤浩次のインパクトに依るところが大きいのは疑いようのない事実で、降板させる必要性がどこにあるのか、といった見方だ。「週刊新潮」では、番組を抜ける行動に対して「スポンサーから疑問視する声が上がっている」と、営業方面からの事情だとしているが、どの程度の影響力のあるスポンサー（および担当者）の声なのかが分からない以上、報道を鵜呑みにしづらいのは確かだろう。

果たして加藤浩次は「スッキリ!!」を降板する流れに傾いているのか。今後の動きから目が離せなそうだ。