「金甲戦士」はウルトラマンのパクリ? 中国内からの批判に驚きの声。

2008/10/17 14:25 Written by Narinari.com編集部

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9月から上海などの一部地域で先行放送を開始、今月から中国国内で本格的な放送が始まった特撮番組「金甲戦士」が「日本のウルトラマンに酷似しているのではないか」と批判を浴びている。この番組はいわゆる変身ヒーローもの。「正義!勇気!友情!」をテーマに悪に立ち向かう5人の若者を描いた作品だが、似ていると指摘されているのは全体的なストーリー展開や、変身後のヒーローのビジュアルだ。特に変身後の姿は何も知らない人が見れば、確かに目の形や身体の色合いなどが、脈々と続くウルトラマンの系譜のひとつと感じでもおかしくないデザインに見える。

このデザインに対し、批判の声を上げたのは中国のネットユーザー。「ウルトラマンに似すぎだ」「パクって恥ずかしくないのか」など、辛らつな声が中国のポータルサイトや掲示板サイト、YouTubeなどに寄せられ、まさに「炎上」している状態だ。制作サイドはこうした批判に「金甲戦士はウルトラマンのように巨大化しない」「金甲戦士は顔の文様デザインが特徴」と反論。「パクリ議論」は平行線をたどっている。

これまで中国が日本の作品をパクったとされるケースは数多あるが、日本ではそうした事例が出るたびに中国の低い著作権意識への痛烈な批判が噴出していた。ところが、今回の反応はなにやら様子が異なるようだ。

日本のネットの反応を見ていくと、今回の「金甲戦士」は過剰に反応するほどそっくりというわけではなく、「どことなく似ている」くらいのレベル(※ウルトラマンよりも仮面ライダーぽくもある)のため、それほど過激な批判は飛び出していない様子。むしろ、「中国にも真っ当な感覚の持ち主がいたとは」「自浄作用が働いているなんて驚き」「中国のイメージが違う」と、中国の国内から著作権意識を問う意見が多数出ていることに、驚きを隠せない人が多い。

ネットが普及しておらず、国外の情報が遮断されていた時代の中国なら、恐らく国民も何の違和感を感じることなく受容していたであろう今回のケース。徐々にではあるが、中国の中にも、著作権に関するリテラシーや諸外国の「常識」が根付いてきているのかもしれない。

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