バルセロナFWティエリ・アンリ選手、米クラブ移籍の可能性を示唆。

2008/10/06 23:18 Written by コジマ

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昨季にサッカー、イングランド1部のアーセナルから、スペイン1部のバルセロナに移籍したフランス代表FWティエリ・アンリ選手。しかし、スペインリーグのプレースタイルに戸惑い、1年目は30試合に出場して12得点と、3年連続得点王に輝いたアーセナル時代の輝きを失っている状態だ。

今季は左ウィングでの活躍が期待されており、本人もセンターフォワードではなくサイドプレーヤーとしての役目を果たすことを約束しているが、現状はスターティングメンバーから外れることもしばしば。同ポジションのボージャン・クルキッチ選手など若手も台頭しており、取り巻く環境は決して良い状態とはいえない。

先日は、スペイン紙マルカに「移籍のタイミングは最悪だった。故障でプレーできる状態ではなかったから」としつつも「バルセロナに来たことは後悔していない」と語っていたアンリ選手だが、海外サッカー専門誌「ワールドサッカーダイジェスト」(WSD)のインタビューで、米国のクラブへの移籍も将来のビジョンにあることを語った。

このインタビューは、Jリーグの横浜マリノス(現横浜Fマリノス)でも活躍した元スペイン代表のフリオ・サリナス氏(2000年引退)によるもの。気さくなサリナス氏の語り口、さらに日本向けのインタビューということで、アンリ選手はリラックスして答えているようだ。

アンリ選手は、これまで渡り歩いてきたフランス、イタリア、イングランド、スペイン各リーグの違いや、元チームメイトのデニス・ベルカンプ氏(06年引退)を最も尊敬していること、アルコールが苦手なことなどを語った後、長期のオフはいつも米国で過ごしていると発言。特にニューヨークが好きだというアンリ選手に、サリナス氏が「そんなにアメリカが好きなら、ベッカムみたいにアメリカのクラブで引退するなんてこともありそう?」(WSDより)と聞くと、「可能性はあるだろうね」(同誌より)と答えた。

さらに、その移籍がいつになるのかは分からないことや、バルセロナとの契約を全うすることが第一としたうえで、「いつかアメリカに住んでみたいっていう夢は持っているよ」(同誌より)としている。昨季に米サッカーリーグMLSのロサンゼルス・ギャラクシーへ移籍し、米国民から大歓迎を受けたデビット・ベッカム選手に続いて、超一流選手が渡米する可能性が出てきた。MLSでニューヨークを本拠地にしているのはレッドブル・ニューヨークのみ。ロサンゼルス・ギャラクシーとは違うカンファレンスに所属している。

前述のマルカ紙のインタビューで「チームを出ることは考えていないし、この気持ちが変わるとは思っていない。ただ、人生には予想外のことが起こるもの。アーセナルにいた時も、チームを出ることなど想像していなかった」と語っていたこともあり、米国への移籍の可能性はゼロではないだろう。

とはいえ、アンリ選手の当面の目標は、スペインで失ってしまった名声を取り戻すことにある。それについては、「現在のレベルを維持し、自分らしさを失わないこと。それが簡単じゃないのはわかっている。でも、そこにあえて挑戦していかないとね。毎日がチャレンジ。そう思いながら、残りの選手生活を突き進んで行こうと思っているよ」(WSDより)と決意を新たにした。

一方、このところマスコミが騒いでいる「アンリがゴールできないのは愛娘と会えないから」という報道については、WSD誌に掲載されている元チームメイト、ロベール・ピレス選手(ビジャレアル)の写真を小突いて、「ぜ〜んぶコイツが悪いんだ!!」(同誌より)と冗談半分に苦言を呈した。この報道がピレス選手がアンリ選手をかばっての発言に端を発しているためだが、実のところはピレス選手と自分の発言が大きく広がっていることにうんざりしているようだ。

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