ヤンキースGMが井川投手獲得を失敗と断言、上原投手にも影響か。

2008/10/03 22:34 Written by コジマ

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13年間続いていたプレーオフ進出を逃すなど、今季のチーム不振から更迭の噂があった米大リーグ、ニューヨーク・ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGM(ゼネラルマネジャー)。しかし、10年間にわたる実績が球団から評価され、9月30日に3年間の契約延長が発表された。それにあたって同GMは「95年以来、初めてプレーオフ進出を逃したシーズンからの挽回は、個人的な挑戦と受け止めている」とのコメントを発表、オフの補強を含め、チーム編成の再構築を打ち出している。

キャッシュマンGMは10月2日、会見を開いて過去の反省とチーム再建策などを説明したが、その中で井川慶投手の獲得を自らの「失敗例」と断言し、日本人選手のスカウト方法を変更したと発表した。また、一部首脳陣から提案されている松井秀喜外野手の一塁手転向については否定している。

井川投手はメジャー2年目の今季、開幕をマイナーで迎えたほか、2度にわたるメジャー昇格時も結果を残せなかった。そのため、地元紙ニューヨーク・ポストからは「4600万ドルのモップ」と揶揄される始末。「モップ(モップアップ)」は敗戦処理投手を意味しており、ファンからは「井川“ザ・モップ”慶」という不名誉なニックネームまで付けられている。さらに、終盤には事実上の戦力外通告となる「40人枠」から外され、背番号「29」も剥奪された。2011年まで総額2000万ドル(約21億円)の契約を結んでいるものの、移籍は必至とみられている。

また、別の地元紙ジャーナル・ニューズはキャッシュマンGMの契約延長のニュースを伝えるとともに、その功罪を5つずつ紹介。「功」の1つとして「松井秀喜との契約」が挙げられていたが、その一方で、「井川慶との契約」は「罪」のほうに列記されていた。

ケガが相次ぐ松井選手も微妙な立場だが、キャッシュマンGMは「松井の一塁転向には気が乗らない。そもそも、一塁は本職が守るべきだと思う。左翼はデーモンのほうが足が速いから守備範囲も広い。松井はDHだ」と述べている。出場機会を増やすための一塁手転向は否定しているものの、来季の構想に入っているのは確実のようだ。

ところが井川投手については、獲得したことを自身の反省点としている。そのため、日本人選手、特に日本人投手の獲得には慎重になっているようで、今オフにメジャー入りが噂されている巨人の上原浩治投手らに影響する可能性も出てきた。この反省を生かし、東京に事務所を開いてスタッフを送り込み、ビデオではなく生で試合やターゲットの選手の動きを見るよう、日本人選手のスカウト方法を変更したという。

井川投手は日本に戻るつもりはなく、このまま米国で調整を続けて移籍先を探す意思を示しているが、その一方で、昨オフの段階で球団に日本に帰る方法がないかと尋ねたとも報じられている。移籍先が見つからなければ、日本球界へ復帰する可能性もありそうだ。

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