ケータイ小説大賞作品が「ある意味」ブレイク、文体変換サービスも。

2008/09/27 12:39 Written by Narinari.com編集部

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9月24日に発表された「第3回日本ケータイ小説大賞」で、大賞に選ばれた「あたし彼女」(著:kiki)。審査委員長を務めた秋元康からは「言葉のリアリティーがすごい。こんな小説は読んだことがない」と、絶賛(?)のコメントが飛び出すほど、独特すぎる文体が話題を呼んでいる作品だ。「あたし彼女」はケータイだけでなく、パソコンからも読めるようにネットで公開されているため、これまでケータイ小説を読んだことがない人たちも、この「未知との遭遇」に良くも悪くも衝撃を受けたという声が多い。

参考までに、「あたし彼女」の冒頭部分を見ておこう。

◎「あたし彼女」のプロローグ(ケータイ小説大賞HPより)

アタシ

アキ

歳?

23

まぁ今年で24

彼氏?

まぁ

当たり前に

いる

てか

いない訳ないじゃん

みたいな

彼氏は

普通

てか

アタシが付き合って

あげてる

みたいな
---

「あたし彼女」の文体の特徴を大まかにまとめると、「1行あたりの文字数が10文字以下(多くは2〜5文字程度)」「行と行の間に空白の行」「『てか』『みたいな』といった若者の口語を多用」といったところ。この組合せが独特のリズムを生んでいる。

作品の内容はセックスや恋愛について綴られたケータイ小説らしいものだが、ネットでは内容に関する言及よりも文体への反響が大きく、掲示板やブログのコメントの最後に「みたいな」を付ける人が続出するなど、「ある意味」ブレイクしているような状態だ。

そうした中、どんなブログも「あたし彼女」風の文体に変換してくれるサービスまで登場してしまった。「あたしブログ」(//labs.spicebox.jp/p/atashi/)と名付けられたこのサービス、変換したいブログのURLを入れ、“みたいな。”ボタンを押すと、自動的に「あたし彼女」のような文体とケータイ小説風の章立てのサイトに変換される。真面目な文体で書かれた文章ほど、ギャップが生まれて面白い結果となるようだ。

「あたし彼女」に対しては否定的な意見も少なくないが、どんな形であれ、これまでケータイ小説を目にしたことがない層にもアプローチできたことは事実。そういう意味では、大きなエポックとなったのかもしれない。

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