野球の「ラッキーセブン」は本当か、名大教授らが846試合を分析。

2008/09/25 23:57 Written by コジマ

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ペナントレースも大詰めを迎え、両リーグとも首位争いの激戦が繰り広げられているプロ野球。テレビにかじりついてごひいきチームを応援している人も少なくないのではないだろうか。

その野球中継を見ていると、解説者や実況がピンチを迎えたチームに対して「チャンスを逃した後だから」や、前日大勝したチームが打てないと「大量得点の翌日だから」などと語ることがある。また、「ラッキーセブン」と呼ばれる七回の攻撃は、点が入って試合が動く可能性が高いと信じられている有名な「通説」だ。

こうしたプロ野球の通説が本当なのか、名古屋大の加藤英明教授(金融経済学)らが05年に行われたプロ野球の全846試合を分析したところ、その多くが「錯覚」である可能性が高かったという。

まずは、「チャンスを逃すとピンチを招く」という通説について。加藤教授らは走者が二塁以上に進んだ攻撃回をチャンスと定義し、その直後の守備回に失点した確率を計算。すると26.4%という数字がはじき出されたが、これは全体の平均(26.4%)と差がなかった。

また、10点以上の得点があった試合を大量得点としたところ、05年は全球団で145試合。各球団の次試合の平均得点は4.87点で、「大量得点した次の試合は打てない」どころか、全試合の平均(4.43点)を上回っていたのだとか。

一方、ラッキーセブンについてはホームゲームの七回裏の攻撃を検証したが、得点が入る確率は26.2%と、延長十二回も含めた全イニングの平均(26.9%)を下回る結果に。七回裏よりも六回裏(30.7%)のほうが確率は高いようだ。

加藤教授らはこのほか、「ホームランやエラーは流れを変えるのか」「送りバントは有効な戦術か」「延長戦は先攻後攻どっちが有利か」など、野球の通説に対して検証しており、その結果は著書「野球人の錯覚」(東洋経済新報社)に収録されている。サッカーの「得点直後に失点する」「ロスタイムは魔の時間帯」といった通説にも挑んでほしいところだ。

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