ドイツ代表GKが殺人未遂容疑者に、試合中の「カンフーキック」で。

2008/09/25 22:07 Written by コジマ

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国内リーグ戦、欧州チャンピオンズリーグ(CL)、ワールドカップ(W杯)予選と目まぐるしい状況の欧州サッカー。その中で、欧州選手権(ユーロ2008)準優勝のドイツ代表はW杯予選で、リヒテンシュタイン戦は6-0と完勝し、敵地で行われたフィンランド戦は3-3で引き分けた。10月11日には、予選第4組のハイライトとなるロシア戦がドイツのホームで行われる予定だ。

そのドイツ代表GKであるティム・ビーゼ選手(ブレーメン)が、試合中の「カンフーキック」で殺人未遂の容疑にかけられている。ビーゼ選手は、代表ではイェンス・レーマン選手(シュツットガルト)、ティモ・ヒルデブラント選手(バレンシア)に次ぐ存在だが、21歳以下(U-21)代表から招集されているドイツ期待の選手。また、ドイツ1部の強豪ブレーメンでは正GKを務めており、国際レベルのセービングを見せている。

今回、殺人未遂の容疑がかけられてしまったのは、5月に行われた国内リーグ、ハンブルク戦でのプレー。ハンブルク側のパスに反応したビーゼ選手はクリアするために飛び出したが、ゴールエリアの外だったためにジャンプキック。ところがこのキックが、ハンブルクFWイビチャ・オリッチ選手の首を直撃した。足の裏を見せる危険なキックだったことから、審判はビーゼ選手にイエローカードを提示している。

幸いにも大事に至らず、オリッチ選手は手当てをした後すぐにピッチへ復帰し、現在もリーグ戦やクロアチア代表としてW杯予選に先発出場している。しかし、ハンブルクの弁護士協会がこの「カンフーキック」を重く受け止め、ビーゼ選手を殺人未遂で告発。警察の聴取が行われ、すでに裁判も開かれている。

たしかに危険な行為だが、審判からはイエローカードと判断されており、殺人未遂での告発は行き過ぎているとの見方が強い。また、被害者のオリッチ選手は裁判を望んでいないことを明言したほか、告発についても「理解できない」としている。そのため、検察側はこの件に関する調査を中止したという。

ビーゼ選手は「刑務所に入れということらしい。何でこういう事態になるんだ」(日刊スポーツより)と困惑しているようだが、欧州CLのB組で勝ち抜けが期待されているブレーメンにとってマイナス要因にならないことを祈るのみだ。

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