大相撲大麻問題の露鵬が解雇処分に反論「武蔵川一派の陰謀」。

2008/09/08 22:59 Written by コジマ

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八百長疑惑、朝青龍騒動、時津風部屋の力士死亡問題と昨年から騒動続きの大相撲を、さらに激震させたロシア出身3力士による大麻問題。西前頭筆頭若ノ鵬(間垣部屋、8月21日付で解雇)の逮捕に始まり、交流のあった同郷の西前頭3枚目露鵬(大嶽部屋)と東十両6枚目白露山(北の湖部屋)も尿検査などから大麻吸引の疑いが持たれている。

露鵬と白露山は「大麻の副流煙を吸った可能性がある」として大麻の吸引を否定しているが、日本相撲協会は若ノ鵬に続いて2力士の解雇を決定。さらに、北の湖理事長の引責辞任と武蔵川親方の理事長就任を発表した。同協会の理事長が任期途中で辞任するのは異例のことだ。

この処分を受けて露鵬が、日本テレビ系NNNニュースの取材に対し相撲協会への憤りをあらわにしている。身の潔白を主張するしつつ、北の湖理事長や師匠の大嶽親方をかばったほか、「新理事長になった武蔵川親方一派の陰謀」との発言も飛び出した。

精密検査で大麻陽性反応が出た9月6日、露鵬は部屋前で会見を行ったが、同席した大嶽親方は、協会が公表する前にNHKで速報テロップが流れたことに激怒。日刊スポーツは「知っている人は限られている。何らかの意図を持った人がリークしたとしか思えない」という関係者の見解を紹介し、「何が何でも露鵬を『クロ』に仕立てたいと考える人間がいる、と疑心暗鬼に陥った」と報じている。

また、ともに会見に臨んだ塩谷安男弁護士は、(1)任意で選べるはずの尿採取用コップを検査担当親方から手渡された、(2)最初は人物を特定しない形で行われるはずの簡易検査が最初から特定して行われた、(3)検査キットに線が浮かび上がれば陰性と説明され、自分も隣の力士と同じぐらいの線が見えたが陽性と判定された、(4)精密検査には準備の時間がかかるので、いったん部屋に帰るよう検査責任者の大西氏に勧められたが、担当親方が認めてくれなかった―という4つの疑問点があることを指摘。公平、公明性に問題があるとして、他の機関や警察での検査も視野に入れて徹底抗戦していく構えをみせていた。

この時点では「陰謀」の可能性をほのめかしていたが、関わっているとされる人物については言及していなかった。しかし、今回のインタビューで露鵬は「武蔵川親方一派の陰謀」と明言している。

武蔵川親方は元横綱三重ノ海。横綱在位期間は8場所と少なかったものの、北の湖や輪島、2代若乃花(現間垣親方、若ノ鵬の逮捕で理事を辞任)らのライバルとして活躍した。大関時代には、北の湖との取り組みで猫だましの奇襲を仕掛けて敗れるというエピソードを持つ。引退後は出羽海一門として初めて独立を許され、武蔵川部屋を設立。元横綱武蔵丸をはじめ元大関武双山、元大関出島(現西前頭8枚目)、元大関雅山(東前頭5枚目)らを輩出している。

協会では、同じ出羽海一門の北の湖体制で事業部長を担当。このことから、出羽海一門による理事の要職独占が指摘されていたが、2人が対立する要素はこれまで取りざたされていない。「陰謀説」の真偽は定かでないが、露鵬は「私はどんなに謝罪されても相撲界に戻るつもりはない。この世界はあまりに汚い」(NNNニュースより)と怒り心頭の様子だ。

一方、弟の白露山は無言を貫いており、9月8日に釈放された若ノ鵬は謝罪会見を開き「わたしは日本の相撲界で、大変なことをしてしまいました。相撲協会、すみませんでした。北の湖理事長、すみませんでした。間垣親方、すみませんでした。日本の皆さん、すみませんでした。わたしはこれからまじめになります。それで許してください。よろしくお願いします。すみませんでした」(FNNニュースより)と述べている。

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