日本人メジャー選手プレーオフ進出の可能性は? 米ESPNが検証。

2008/09/01 03:41 Written by コジマ

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9月に入り、米大リーグもポストシーズンまで残すところ1カ月弱となった。プレーオフ進出を目指して両リーグの各地区で激戦が繰り広げられているが、その中でも多くの日本人選手が在籍するア・リーグ東地区は熾烈となっている。

同地区は8月31日現在、岩村明憲内野手が所属するタンパベイ・レイズが勝率.619で首位。それを松坂大輔、岡島秀樹両投手の所属するボストン・レッドソックスが4.5ゲーム差で追いかけている。またナ・リーグでは、福留孝介外野手が所属するシカゴ・カブス(中地区)が勝率.625の圧倒的首位に立っている状態。勝ち数は両リーグトップの85勝で、シーズン100勝に迫る勢いだ。

こうしたポストシーズンに向けた9月の動向について、米放送局ESPNの上級論説委員ジェイソン・スターク氏が解説し、その中でレッドソックスとニューヨーク・ヤンキースがともにプレーオフへ進出できない可能性や、カブスの100勝達成、さらにレイズの奇跡がいつまで続くかなどを検証している。

大リーグでは、両リーグ各地区1位の6チームと地区2位で最も勝率の高い2チーム(ワイルドカード)の計8チームが、ワールドシリーズに向けてプレーオフを争う。レイズに4.5ゲーム差のレッドソックスは首位で進出する可能性があるが、同11.5ゲーム差のヤンキースはワイルドカードでの進出しかない。ア・リーグのワイルドカード争いではレッドソックスがトップで、3.5ゲーム差でミネソタ・ツインズ、7ゲーム差でヤンキースが追いかけている。ヤンキースはもちろんのこと、レッドソックスも安心できる状態ではないだろう。両チームがプレーオフへ進出できなければ、1995年のワイルドカード制度導入以来、初のことだ。

そんな“事件”が起こる確率についてスターク氏は、「coolstandings.com」が発表した各チームのプレーオフ進出オッズから、10.7%と予想している。これはレッドソックスの87.6%とヤンキースの2.3%から計上したものだが、同氏は「ヤンキースの確率は、この数字でも楽観的と言える」とした。実際、8月31日現在のオッズは、2連勝中のレッドソックスが93.8%に上がっているのに対し、ヤンキースは1.6%に落ち込んでいる。

そのオッズで99.1%とされているレイズの快進撃については、「今季で終了するかもしれない」との予測を立てた。レイズは球団創設の98年以来、毎年90敗以上(100敗以上が3シーズン)している弱小球団だった。縁起を担いでチーム名から「デビル」を取った今季、下馬評を覆しての躍進に地元ファンも大いにわいているようで、スターク氏も「総年俸がヤンキースで内野の左側を守る人(アレックス・ロドリゲス内野手)より低い球団が地区優勝を果たしたならば、それは何十年も語り草となるだろう」と評している。

しかし「1890年のルイビル・カーネルズ(1899年に消滅)以来、過去数シーズン成績が振るわなかった球団が突然地区1位に輝くと、翌年は必ずもとに戻る」との前例を示し、レイズの奇跡も今季までと見ているようだ。

一方、カブスのシーズン100勝については、間違いなく達成できると予想した。大リーグではこれまで延べ66回の100勝が達成されているが、カブスは1906年に116勝(36敗3分け)の大リーグ最多記録を達成した。これは、イチロー外野手がメジャー移籍した01年のシアトル・マリナーズと並ぶ数字で、勝率ではカブスが上回っている。しかし、リーグ優勝した1935年以来、100勝から遠ざかっている状態だ。

今季は8月31日現在で85勝を挙げているため、残り26試合を勝率.576(15勝11敗)で達成できる計算となる。これまでの勝率(.625)からすると、比較的容易な数字と言えるだろう。そのため、スターク氏は「ヤギの呪いでさえ、現在の彼らを止めることができないだろう」と、73年ぶりの100勝を保証した。

ちなみに、「coolstandings.com」が予想する日本人選手(メジャー)所属球団のプレーオフ進出オッズは、以下のとおり。

シカゴ・カブス(福留孝介) 99.8%
タンパベイ・レイズ(岩村明憲) 99.1%
ボストン・レッドソックス(松坂大輔、岡島秀樹) 93.8%
フィラデルフィア・フィリーズ(田口壮)45.3%
ロサンゼルス・ドジャース(黒田博樹、斎藤隆) 20.4%
ニューヨーク・ヤンキース(松井秀喜) 1.6%
クリーブランド・インディアンス(小林雅英) 0.2%
ヒューストン・アストロズ(松井稼頭央) 0.1%
サンフランシスコ・ジャイアンツ(藪恵壹) 0.1%
シアトル・マリナーズ(イチロー、城島健司) 0.0%
サンディエゴ・パドレス(井口資仁) 0.0%

特に上位3球団の可能性は濃厚なので、昨季のレッドソックス−ロッキーズ同様、ワールドシリーズでの日本人対決も期待できそうだ。

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