レディオヘッド最新作、「付け値」販売も230万人が違法ダウンロード。

2008/08/04 23:24 Written by コジマ

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昨年10月に世界の度肝を抜いた英バンド、レディオヘッドの「付け値」販売。最新アルバム『イン・レインボウズ』を公式サイトで配信するに当たってユーザーが自由に値段が付けられるようにしたもので、発売初日で120万件のダウンロードが行われたと推定されている。

同時期にプリンスが最新作を新聞の付録にしたり、マドンナがレコード会社ではなく米コンサートプロモーション会社と契約したりなどの動きがあったため、世界的にレコード会社不要論が過熱。対するレコード会社は、これらの動きに対して猛反発していた。

こうした中で、「付け値」であるにもかかわらず、『イン・レインボウズ』のダウンロード数が公式サイトよりも違法サイトからのほうが多かったという、衝撃の事実を英紙デイリー・テレグラフが伝えている。これは英音楽著作権管理組合Performing Rights Societyの調査によって明らかになったもので、違法ダウンロード数は同作品の配信開始当日に40万件以上、4週間未満で230万件以上にものぼり、公式サイトの推定総数をはるかに上回る数だという。

今年5月に英EMIからベスト盤『ザ・ベスト・オブ・レディオヘッド』がリリースされたレディオヘッドだが、オリジナルアルバムは2003年発表のアルバム『ヘイル・トゥ・ザ・シーフ』で終了。最新作『イン・レインボウズ』は公式サイトでの配信などで独自ルートで販売された。この販売方法はレコード会社の存在に疑問符を投げかけ、前述の通り他のミュージシャンの動きと合わせてレコード会社不要論に拍車をかけている。

同紙によると、英国の違法ダウンロードは現在、音楽ダウンロード全体の95%を占めており、約650万人のユーザーが「海賊版」で音楽を楽しんでいるという。これによりレコード会社は壊滅的な打撃を受けているが、インターネットメディア調査会社は「価格がゼロに近づいても、条件が同じならユーザーは違法ダウンロードをやめない。消費者はより快適であると感じるほうを好む」と分析している。

違法ダウンロードはあくまで違法だが、こうした流れに歯止めがかけられない現在、CDの販売による利益をあきらめ、ライブなどで収益を得るスタイルを取るミュージシャンが世界的に増加しそうだ。

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