「悪評」から脱却、アエロフロート・ロシア航空のサービスに高評価。

2008/08/04 14:11 Written by モノメトロ編集部

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チャイナエアラインや大韓航空などと並び、格安航空券で海外に行こうと思ったら、搭乗する可能性が高いアエロフロート・ロシア航空。旧ソ連時代には「安い。が、サービスは悪い」との悪評が常に付きまとうことでも有名だったロシアの航空会社だ。ただ、近年はサービスの向上に力を入れており、実際に乗ってみると「案外普通だった」との感想を持たれることもしばしばで、昔のイメージと現在の状況のギャップが大きいことでも知られている。そんなアエロフロート航空が、国際航空運送協会の2008年上半期サービス評価でヨーロッパ5位に輝いた。

このサービス評価は国際航空運送協会がヨーロッパの13の大手航空会社を対象に、顧客満足度を調査、順位を出したものだ。その結果、アエロフロート航空はエコノミークラス部門とビジネスクラス部門でともに5位に入り、対象となった航空会社の中では「中の上」のポジションを獲得。搭乗手続きなどのほかのサービス周りの評価に関しても、軒並み高評価が与えられている。

旧ソ連時代のアエロフロート航空は死亡事故が多発しており、悪評はこの点にも起因している。英語版のWikipediaによると、1953年から旧ソ連が崩壊した1991年までに起きたアエロフロート航空の事故は127件で、延べ6,875人が命を落とした(+地上の巻き添え死が20人)。1回の事故で、平均54.13人が亡くなっていることになる。この事故の多さは、旧ソ連時代は「世界最大の航空会社」だったことや、古い機体を長年使用し続けていたことなどそれなりの理由があるのだが、近年は安全性もずいぶん改善され、1994年を最後に死亡事故を起こしていない。

ちなみに、1994年の事故(乗客63名、乗員12名が死亡)は、機長が自分の子どもに操縦桿を握らせたことが原因で墜落したもの。パイロットのモラルの欠如や、危機管理の甘さについて、日本でも大きく報道された。

また、半ば都市伝説のように語られていたのがサービス面の悪評だ。「荷物の盗難が多い」「イスが外れた」「窓から空気が漏れる音がした」「トイレが汚い」「トランジットの待ちぼうけが多い」「機内食がまずい」と、旧ソ連時代にはまさに悪評のオンパレード。そうした時代があっただけに、今回の「欧州5位」の高評価を得るまでサービスを改善させた、アエロフロート航空の企業努力は素晴らしいの一語に尽きる。

近年、アエロフロート航空は最新鋭機の導入を進めるなど、機体の安全性向上にも力を入れている。安全面もサービス面も良くなり、その上で価格は安いというアエロフロート航空。今後も、継続した質の向上に期待したいものだ。

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