セリエAは老人ホーム? 英紙タイムズがイタリアサッカーを批判。

2008/08/29 23:12 Written by コジマ

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8月31日に、スペイン1部リーガ・エスパニョーラとともに欧州サッカーリーグ最後の開幕を迎えるイタリアサッカー1部のセリエA。今季はインテルにジョゼ・モウリーニョ監督が就任したことが注目されているが、より多くのサッカーファンの関心を集めているのが、バルセロナからブラジル代表MFロナウジーニョ選手とイタリア代表DFジャンルカ・ザンブロッタ選手を獲得したミランだ。

北京五輪前には「体調だけなら、100パーセントに到達する日が近いと断言しよう」(ワールドサッカーダイジェストより)と語っていたロナウジーニョ選手が、同じブラジル代表MFカカ選手やイタリア代表MFアンドレア・ピルロ選手らとどんな夢の時間を見せてくれるのか、ミラノサポーター以外の期待も高まっている。

そんなセリエAに対して英紙タイムズが「イタリアサッカーは老人ホームか?」との批判記事を掲載し、英国内で話題を呼んでいる。セリエAというよりも、今季に高年齢の選手ばかりを獲得したミランに対する皮肉を述べているようだ。

今季ミランへ移籍・復帰したビッグネームを見てみると、ロナウジーニョ選手(28歳)、ザンブロッタ選手(31歳)、アンドリー・シェフチェンコ(31歳、チェルシーから)と比較的年齢の高い選手が多い。また、ロナウジーニョ選手はモチベーションの低下からバルセロナでは約4カ月も戦列から離れており、シェフチェンコ選手もチェルシーでの出場機会が少なくなっていた。

その一方で、マテュー・フラミニ選手(24歳、アーセナルから)やフィリップ・センデロス選手(23歳、同クラブからレンタル移籍)ら若手選手も獲得しているが、これについて同紙は「イタリアサッカーは栄養剤を必要としており、そのためプレミアリーグはセンデロスを提供した」としている。

辛らつな皮肉に、記事のコメント欄には批判もあるようだが、どうやらこの記事、ジャンルカ・ヴィアリ選手やロベルト・ディ・マッテオ選手らイタリア人がプレミアリーグに来るようになった約10年前に、イタリアではプレミアリーグを「引退選手の施設か、モチベーションが下がった選手の施設」と揶揄したことに対する“復讐”の模様。また、一挙にビッグネームを獲得したミランへのやっかみが含まれているかもしれない。

しかし、近年は「青田買い」と批判されるほど他国の若手選手を買いあさっているプレミアリーグに対し、セリエAはベテラン選手への待遇が厚いとの指摘がある。さらに、昨年の欧州チャンピオンズリーグ準決勝のチェルシー−リバプール戦について、元アルゼンチン代表のホルヘ・バルダーノ氏が「狂ったように盛り上がっているスタジアムの真ん中で、クソのようなサッカーをする。そして、それを芸術だなどと呼ぶ人々がいる。」「サッカーがチェルシーやリバプールが志向しているような方向に進んでいくのなら、クレバーなプレーや才能といったものに別れを告げる準備をした方がいい」(スポーツナビより)と酷評するなど、国際大会で好成績を上げているプレミアリーグへの批判も少なくないようだ。

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