ガソリン高騰の救世主、 タイで流行の 「なんちゃって・ハイブリッド」とは。

2008/08/27 23:52 Written by コジマ

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ガソリン価格が高騰する中で、世界的に低燃費の軽自動車やコンパクトカーが人気だ。いまや「普通乗用車に乗ること自体が贅沢」との意見もあるようで、次世代を担うハイブリッドカーや電気自動車、燃料電池、バイオエタノールなども注目を浴びている。

こうした中、「なんちゃって・ハイブリッド」なる改造がタイで流行しているという。「週刊プレイボーイ」によると、この改造は普通のガソリン車にLPガス(液化石油ガス)のタンクを載せ、ガソリンと併用で走れるようにするもの。ガソリンとLPガスの切り替えはドライバーの任意で行える。

正式には「バイフューエル」いい、世界的におもに軍用車両に採用されている。「なんちゃって・ハイブリッド」という名前は、現地駐在商社マンたちの間で呼ばれているのだとか。タイでは約6万円の変換キットで改造できるため急増しており、小型車から高級車までさまざまな車種に施されているという。

「バイフューエル」の一番の魅力は、なんといっても燃費の安さだ。同誌によると、LPガスの運転特性はガソリンとほとんど変わらず、1リットル当たりの走行距離も同等。にもかかわらず、価格はガソリンの1リットル当たり約180円に対してLPガスは同約100円と半額に近い。ガソリン高騰に苦しむ世界中のカーオーナーにとって、まさに救世主と呼べる改造ではないだろうか。また、LPガスはガソリンに比べてCO2(二酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)、PM(粒子状物質)の排出量も少なく、環境問題にも適した方式だ。

この改造は日本でもLPG内燃機械工業会に加盟する工場で受け付けているが、車検制度の緩いタイと違って費用はカローラクラスで約50万円かかるのだそう。上記の価格差で計算すると、元を取るには6万2500キロ以上走行する必要があるという。また、車検とは別に6年に1回のガスタンク耐圧試験が義務となり、改造車扱いのためメーカー純正保証が受けにくくなるなどのデメリットもあるようだ。

とはいえ、長距離を運転する人にとっては魅力的な改造と言える。政府も業務用車種を中心に導入を推進しており、補助金として改造費用の一部を負担してくれるという。ちなみに、最初から「バイフューエル」を採用した自動車はボルボが量産しており、LPガス方式とCNガス(圧縮天然ガス)方式を合わせて8車種をラインアップしている。

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