五輪惨敗でメジャーの日本人選手評暴落、今オフの移籍は難航か。

2008/08/27 22:34 Written by コジマ

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国民の大きな期待を背負いつつ、北京五輪で4位に終わった野球日本代表。準決勝、3位決定戦の敗戦直後はもちろんのこと、8月24日の帰国後も多くの批判が飛び交っている。さらに、チームに一体感がなかったことや「内部崩壊」していたことが各メディアに報じられているが、国民の願いは今回の反省点をきっちりと修正し、来年3月に開幕するワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で再び栄冠をつかんでほしいということで一致している。

こうして多大な影響を与えた北京五輪での惨敗だが、米大リーグへの移籍を目指す選手にとっても深刻な事態をもたらしているようだ。これまで大リーグから絶賛を受けていた日本人選手の評価が、五輪の4位で暴落しているという。

今年7月に引退を発表した野茂英雄氏の成功以来、日本人選手の大リーグ挑戦が続出しており、五輪代表でも上原浩治投手(巨人)、川上憲伸投手(中日)、藤川球児投手(阪神)、青木宣親外野手(ヤクルト)らがメジャーへの移籍を希望する発言をしている。また、渡米した選手の活躍により大リーグ側の注目度も高まっており、北京五輪前後には米メディアが注目選手を紹介した。

ところが、米紙ニューヨーク・ポストの記者によると「スカウトから日本人選手の名前は聞かなかった。マイナーリーグ(米国代表)に負けてしまったからね」(サンケイスポーツより)という。3Aの選手を中心とした米代表に対し、1次リーグで2-4、3位決定戦で4-8で敗れたことでメジャースカウトの注目度が下がってしまったようだ。

またサンケイスポーツは、今回の評価暴落の原因として、メジャー移籍1年目の日本人選手が活躍できていないこと、日本国内で高年俸の選手が複数年契約を求める傾向が強いことも挙げた。40人ロースターから外された薮田安彦投手(カンザスシティ・ロイヤルズ)と福盛和男投手(テキサス・レンジャーズ)は中堅選手の移籍を、大型契約を交わしたものの期待に応えられていない福留孝介外野手(シカゴ・カブス)と黒田博樹投手(ロサンゼルス・ドジャース)は大物選手の移籍を難航させることになりそうだ。

同紙はこの影響を最も受ける選手として、今オフのメジャー移籍が濃厚な上原投手を挙げている。ベテラン、救援投手、高年俸と移籍への障害が多いことに加え、8月19日付の米紙USAトゥデイの注目日本人選手特集でも上原投手の名前が出てこなかったという。

一方、メジャーから熱い視線を受けているダルビッシュ有投手(日本ハム)については、メジャーのスカウトから「投げなかったから“どこか悪いのでは”と心配されていた」(サンケイスポーツより)とされており、注目度は下がってはいない模様。しかし、ダルビッシュ投手は大リーグに興味がないことを公言しており、移籍についても一貫して否定している。

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