北京五輪バスケ米代表はドリームチームを超えたか、米誌が検証。

2008/08/26 23:15 Written by コジマ

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かつては米プロバスケットボールNBAのスター選手が多数参加し、圧倒的な強さで1992年バルセロナ大会から五輪3連覇を成し遂げた「ドリームチーム」こと男子バスケットボール米代表。しかし、02年の世界選手権から不振が続き、04年アテネ大会でも3位で敗退した。スター選手の出場辞退も相次ぎ、いつしか米国内で「ドリームチーム」と呼ぶ人もいなくなった。

そんな状況を打破するため、北京五輪では王座を奪還を目指して今季MVPのコービー・ブライアント選手(ロサンゼルス・レイカーズ)やレブロン・ジェームズ選手(クリーブランド・キャバリアーズ)らスター選手が結集。「リディームチーム」(名誉挽回チーム)と名づけられたこの代表は、準決勝で宿敵アルゼンチン、決勝でスペインを破り、ジェームズ選手の宣言どおりに金メダルを獲得した。本大会の平均得失点差は27.9で、準優勝のスペイン(7.0)、3位のアルゼンチン(7.3)と比べると、いかに米国が圧倒的だったかが分かる。

こうして再び米国に金メダルをもたらした「リディームチーム」は国民から絶賛を受けているが、米スポーツ専門誌スポーツ・イラストレーテッド電子版がバルセロナ五輪の米代表「ドリームチームI」との比較記事を掲載している。

「ドリームチームI」には、マイケル・ジョーダン選手、マジック・ジョンソン選手をはじめ、ラリー・バード選手、スコッティ・ピッペン選手、パトリック・ユーイング選手、カール・マーロン選手、チャールズ・バークリー選手ら、NBA史上に燦然と輝く伝説的プレーヤーが結集した。その強さは圧巻で、バルセロナ五輪本大会での平均得失点差は43.8という脅威の成績を残している。今大会で他国を圧倒した「リディームチーム」もまったく及ばない数字だ。しかし、この点について同誌の記者ジャック・マッカラム氏は「他国の代表にNBA所属選手がほとんどいなかった16年前とは、単純に比較できない」としている。

続いて同氏は「今大会で最高のプレーヤーはレブロン・ジェームズ、コービーはそれに次ぐ活躍をした(レギュラーシーズンでは逆だった)」とした上で、「92年のチームで最高の選手だったジョーダンに、攻守にわたってジェームズもブライアントもかなわない」と評した。しかし、その根拠は示されていない。ちなみに平均得点に関しては、バルセロナ五輪のジョーダン選手が8試合に出場して14.9(チーム1位はチャールズ・バークリー選手の18.8)だったのに対し、北京五輪のジェームズ選手は15.5、ブライアント選手は15.0(チーム1位はドウェイン・ウェード選手の16.0)と上回っている。

このほか、センターやガードの選手動き、チームディフェンスを比較しているが、いずれも「ドリームチームI」のほうが上だと結論している。最後にマッカラム氏は「どんな形であれ、コートで活躍した08年チームを非難しているわけではない」としているが、NBAの歴代最高選手たちが結集した「ドリームチームI」と比較するのは、少々酷なことかもしれない。

この記事に対して読者投稿欄では盛んに議論が交わされており、「個人の能力を比較してもドリームチームのほうが優れているのは明らか」「史上最高の5選手中3選手が入っているのだから、ドリームチームのほうが優れているのは当たり前。しかもバードとレイトナー以外は、キャリアのピークにあった選手ばかりだ」「ドリームチームには多くの才能が集まっていたが、チームとしてはリディームチームのほうが成り立っていた」などの意見が寄せられている。

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