ソフトボール日本代表が悲願の「金」、米ネットでは制度に不満の声。

2008/08/21 23:51 Written by コジマ

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正式種目に採用された1996年のアトランタ大会以来、五輪では常に苦杯をなめ続けていたソフトボール日本代表。五輪最後となった北京大会ではシドニー大会、アテネ大会で主力選手だった斎藤春香監督の指揮のもと、「最初で最後」の金メダル獲得を目指していた。

1次リーグを2位で突破した日本代表は準決勝で米国に敗れたが、同日の3位決定戦でオーストラリアに延長戦の末に勝利。エースの上野由岐子選手(ルネサス高崎)は、米大リーグ、ボストン・レッドソックスの松坂大輔投手を驚愕させる2試合318球の熱投だった。

4連覇を目指す米国と再び対戦した決勝でも上野投手が先発し、チーム打率が約1割上回る米打線を相手に力投。4番クリストル・バストス選手に一発を浴びたものの、再三にわたるピンチを切り抜けた。一方、打線は山田恵里外野手(日立ソフトウェア)の本塁打に加え、狩野亜由美外野手(豊田自動織機)の適時打や相手のエラーで3点を獲得。王者を相手に3-1の完勝で悲願の金メダルを獲得した。

日本のネットでは早くも上野投手を国民栄誉賞に推す声もあるが、この日本代表の勝利を米スポーツ専門局ESPNは公式サイトで「Best For Last」の見出しを付けトップニュースとして扱い、勝利を喜ぶ日本代表選手たちの写真を掲載。AP通信からの配信記事では、バストス選手が日本代表を祝福したこと、20歳の峰幸代捕手(ルネサス高崎)が歓喜の涙を流していたことなどを伝えている。しかし、米国のファンは日本の勝利を素直に喜んでいないようだ。

同サイトのコメント欄には、決勝トーナメントのシステムに対する不満であふれている。ソフトボールでは予選リーグ1位と2位(A)、3位と4位(B)がそれぞれ対戦し、Aの敗者がBの勝者と対戦(C)して敗者が3位、Cの勝者とAの勝者が決勝を戦うシステム(ページシステム)となっている。日本は予選リーグ、準決勝で2度米国に敗れていることから、この変則システムへの批判とともに「日本は米国に2度勝たなければならないだろう」とする声が多数を占めた。

このほか、「日本は(野球の)ワールド・ベースボール・クラシックのように運がいい」「最もふさわしいチームが優勝するように、しっかりとしたフォーマットを準備する必要がある」などの意見が寄せられているが、「この試合前、フォーマットについて誰も文句を言っていなかったではないか。日本は予選リーグで6勝1敗、オーストラリアは5勝2敗だったので、フォーマットが異なるならば日本は準決勝で米国と対戦しなかったでしょ」という冷静な声もあるようだ。

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