食パンの厚さに東西差、年間購入量上位は関西圏ズラリ。

2008/08/14 22:39 Written by コジマ

このエントリーをはてなブックマークに追加


同じ日本ながら、文化の違いが各所に見られる関東と関西。うどんでもそばでも関東では油揚げをのせたものを「きつね」、揚げ玉をのせたものを「たぬき」と呼ぶが、関西では油揚げをのせたうどんは「きつね」でそばは「たぬき」、揚げ玉をのせたうどんは「ハイカラ」と呼ばれている。また、つゆの違いもあり、その境界線は岐阜県の関が原とする説が有力だ。

この東西の食文化の違いとしてうどん、そばとともによく挙がるのが食パンの厚さ。関東では6枚切りと8枚切り、関西は4枚切りと5枚切りが主流で、それぞれ初めて見たときに戸惑う人も少なくない。では、なぜ関東では薄く関西では厚いのか、フリーペーパーの「R25」がその秘密を探っている。

同誌は山崎製パンに問い合わせており、同社によると地方を分けてそれぞれを販売をしているわけではなく、売れ行きに応じて出荷しているという。4枚切り、5枚切りは大阪、京都、神戸、岡山などが顕著で、関東圏では厚切りの食パンがあまり売れないのだとか。また、総務省家計簿調査の1世帯当たり食パン年間購入量では神戸市と京都市が1、2位となっており、4位が大津市、5位が奈良市など、関西の市町村が上位に並んでいるという。関東に比べ、関西のほうがパン好きのようだ。

同誌は関西が厚切りの理由として、大阪観光コンベンション協会公式サイトの「厚切りのもっちりとした食感が、関西人好み」を紹介し、「外がカリカリ、中がふんわりの厚焼きトースト…これはたこ焼きにも通じる食感ですよね」と結論している。同サイトではこのほか、「ウマイもんのためなら金をかける関西人」「5枚切り・6枚切りはパン屋さんの販促策」などを挙げている。ちなみに、日本の製パンメーカーが使うパンカッターの元祖は米国製の8枚切りだったそうで、厚切りのパンカッターを開発したのは大阪の製パンメーカーなのだとか。

とはいえ、山崎製パンの「新食感宣言」やPascoブランドで有名な敷島製パンの「超熟山型食パン」は5枚切りで全国展開しており、現在は地域を限らず好みの厚さを選べるようになっている模様。「デイリーポータルZ」の同様の特集でも山崎製パンに問い合わせているが、その際に同社の担当者は「昔は店頭で食パンを切るということもしていましたから、かえって昔のほうが、厚みは自由に選べたんじゃないかと思います」としている。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.