世界新優勝の北島康介をハンセンが称賛「彼こそ真の王者」。

2008/08/11 23:02 Written by コジマ

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8月11日に行われた北京五輪男子100メートル平泳ぎ決勝で、柔道男子66キロ級の内柴正人選手(旭化成)に続いて日本に2つめの金メダルをもたらした北島康介選手(日本コカ・コーラ)。大会前の記者会見では世界記録を更新しての優勝を世界に向けて宣言していたが、その言葉どおり58秒91の世界新を記録した。この快挙に国内外で絶賛の声があふれ、親交のある米大リーグ、シアトル・マリナーズのイチロー外野手は「きみは魚類か?」(共同より)との驚きのコメントを寄せている。

2冠に輝いたアテネ五輪後に調子を崩し、今大会直前にはスピード社製水着問題に翻弄された。大会が始まってからはアレクサンドル・ダーレオーエン選手(ノルウェー)に予選、準決勝でトップタイムを奪われたことに奮い立たされたようだが、アテネ五輪後に長いスランプにあった北島選手に火をつけたのは、やはり宿敵ブレンダン・ハンセン選手(米国)の存在だ。06年のパンパシフィック選手権で200メートル平泳ぎの世界記録をたたき出したハンセン選手に対して2秒以上も遅れた北島選手は、五輪に挑むモチベーションを取り戻したという。

ハンセン選手は、今回の100メートル平泳ぎ決勝で前半こそ2位で折り返したものの、後半で失速して4位に終わっている。そんな失意の中で、レース直後にコースを横断して北島選手を祝福した。「すばらしい泳ぎだった」(ロイターより)と伝えたようだ。

さらに、レース後には「(北島選手の優勝に)驚いていない。彼は本当に速かった」(同)、「世界新を出すことは簡単なように見えるが、そうではない」(時事より)、「強烈なプレッシャーがかかったレースを制した彼に敬意を表すべき。本当にすごい泳ぎだった。彼こそ真の王者だ」(APより)との称賛を送っている。

また「メダルを取るには最高のパフォーマンスが求められていた。メダリストの3人はそれができていた」(ロイターより)と語った一方で、自身の進退については「僕を見るのはこれが最後じゃないよ。もう一度世界記録を出すまで続けると決めているから」(同)と引退を否定した。

ハンセン選手が7月の米代表選考会で落選したため、200メートル平泳ぎでは2人の対戦が見られないのが残念だが、北島選手の2大会連続となる2冠に期待したい。

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