7月14日に発表された北京五輪のサッカー日本代表にも名を連ねているJ1大分トリニータのゴールキーパー・西川周作選手。高齢化が進むフル代表のゴールキーパーの「次」を担える素材としても楽しみな選手だが、20日に更新されたブログのエントリーにイエローカードを「わざともらった」と告白。批判を浴びている。
ブログにつづられたのは、20日に行われたJリーグのジュビロ磐田との一戦について。試合後に「やったぁ〜やったぁ〜やりましたぁ〜もぉ今日の勝利!めっちゃくちゃ嬉しいの一言です」「ホームで6連勝という記録も更新できたのもみ〜んなのおかげです」とごくごく普通の感想が続くエントリーなのだが、その中に次のような一文があった。
「今日のイエローカードはみんなビックリしたと思いますがわざともらいました!!」
そして、わざとイエローカードをもらった理由として、これまで通算3枚のイエローカードをもらっているため、今回1枚もらっておけば、北京五輪に派遣されている間に4枚貯まったイエローカードをすべて消化(次節出場停止)できるから、と説明している。
サッカーの世界では、出場停止になる試合を「調整」するために、イエローカードをわざともらうプレー自体はそれほど珍しいことではない。そのため、西川選手が「わざとイエロー」をもらった行為に対してはそれほど批判的な意見は出ていないのだが、そうしたプレーは決して誇れるものではなく、暗黙の了解として処理するのが通例。そのため、ブログで堂々と、そして「!!」を付けて誇らしげに語る西川選手の姿勢に対して批判が起きてしまった。ネットでの批判を受け、ブログの該当箇所はすぐに削除されている。
イエローカードをわざともらったことを不用意に告白し、猛批判を浴びた例としては、2004年のデイヴィッド・ベッカム選手のケースが知られている。これは2006年のW杯に向けたヨーロッパ予選の対ウェールズ戦でのこと。肋骨のけがで次戦を欠場する可能性が高かったベッカム選手は、どうせなら累積のイエローカードを帳消し(次戦出場停止)にしようと、ウェールズ戦でわざとイエローカードをもらったと誇らしげに告白。協会などからおとがめはなかったが、メディアや国民からは批判を浴び、プレーそのものというよりは、プロサッカー選手として、そして国を代表する選手としての姿勢に疑問符が付けられることになってしまった。
西川選手も国を代表して北京五輪に臨む選手。その立場を考えれば、今回の発言は「軽率」の一言で、批判を浴びるのは致し方ないことなのかもしれない。
ちなみに、21日に更新されたブログのエントリーでは、「この度ブログでの記述に関して、各方面の方々にご迷惑をおかけしたことをここにお詫び申し上げます。夢を与える立場であるプロ選手として深く反省しております。今後は皆様のご期待を裏切らぬよう子供達の模範となるようなプレーと言動を目指していきます」と謝罪の言葉をつづっている。