米紙のイチロー放出案に批判殺到、記者へ「お前こそ出て行け!」。

2008/07/18 23:01 Written by コジマ

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米大リーグで8度目のオールスター戦に出場し、狙っていたという本塁打は見られなかったものの、好返球で走者を刺す「レーザービーム」で観客を沸かしたシアトル・マリナーズのイチロー外野手。ニューヨークのファンにも歓迎され、その感激を交代直後のインタビューでうれしそうに語っていた。

とはいえ、チームは現在ア・リーグ西地区で断トツの最下位。球団はビル・ベバシGMやジョン・マクラーレン監督、さらには主砲リッチー・セクソン内野手(現ニューヨーク・ヤンキース)を解雇するという「大ナタ」を振るい、改革に本腰を入れている。こうした中で、地元紙シアトル・ポスト・インテリジェンサーが「イチローをトレード? 大胆だが分別ある提案」と題した記事を掲載し、過激な論調でイチロー選手を批判した。

この記事を執筆したのは、同紙の記者ジム・ムーア氏。ムーア氏はベバシGMを解雇した際にハワード・リンカンCEOが「フロントや監督、選手全員がトレード対象」と語ったこと述べ、「ならば、7月31日のトレード期限までにイチローを先発投手や将来有望な選手と交換すべきだ」と提案。米プロバスケットボールNBAの地元チーム、シアトル・スーパーソニックス(来季からオクラホマシティへ移転)が中核だったレイ・アレン選手をボストン・セルティックスに放出して、代わりに有望選手を獲得したことを例に挙げた。

さらに、米ESPNラジオのコリン・カウハード氏による「イチローは本当に良い選手だが、平凡な3割打者。単打しか打てない『蚊』だ。チームの中心となる『象』にはなれない。スポーツではパワーが勝つ」との過激な発言を紹介。また、ムーア氏は「実を言うと、私はイチローのファンでない。理由はうまく言えないが、ケン・グリフィー・ジュニアやエドガー・マルチネスのような期待感が彼にはまるでない」と自身の感情まで述べている。

6月下旬に米誌スポーツ・イラストレーテッドがマリナーズの大規模なトレードを提案してイチロー選手に対する批判をつづり、米国のマリナーズファンのブログでもこの意見に同意する声が少なくなかったが、ここまで過激な論調はこれまでなかったのではないだろうか。

そのため、ムーア氏の記事に対して読者から批判が殺到。記事のコメント欄には140件を超える意見が寄せられており、ムーア記者に同意する声も少なくはないが、「イチローは史上最も驚くべき、そして最も偉大な選手の1人であることを忘れてはいけない」「私はイチローを愛している。彼はチームの体であり心でもある。使い古した商品のように彼を追い払うことをしてはいけない」など、トレードに反対する意見が多数を占めている。

中には「黙れ! お前こそいますぐシアトルから出て行け!」「よくこんな記事をデスクが通したな」「あなたは精神異常者ですか?」「イチローを嫌いなあなたが自分の欲求を満たしたいだけなのでは?」といったムーア氏を痛烈に批判する声も寄せられた。

ただ、「イチローはチャンピオンリングに値する選手。しかし、シアトルにいてはきっとつかむことはできない。私は彼に去ってほしくないが、彼にとっては移籍したほうがいいだろう」と、トレードがイチロー選手にとって良い結果をもたらすとする指摘も。その際には「イチローはいくらでもチャンスがあったのにシアトルを去らなかった。彼がマリナーズを離れたいと望むなら、チームは彼にお返しをしなければならない」とする声もあるようだ。

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