7月17日は、ニンテンドーDS向けにリメイクされた「ドラゴンクエスト5」の発売日。日本を代表するRPG「ドラゴンクエスト」シリーズの中でも特に人気が高い「5」だけに、発売日を心待ちにし、今週末からの三連休は「ドラクエ三昧」にしようと決めている人も多いのではないだろうか。そんな「ドラゴンクエスト5」をめぐり、いきなりちょっとした騒ぎが起きている。

騒動は「『ドラゴンクエスト5』から吸い出されたROMデータを、マジコン（※）を使ってプレイしようとすると、先に進めなくなる」というもの。通常のパッケージを購入しているユーザーには関係のない話だが、「ドラゴンクエスト5」のROMデータをファイル交換ソフトや海外サイトなどから不正に入手し、遊ぼうとするユーザーに「トラップ」が仕掛けられているとの報告が、2ちゃんねるなどで相次いでいるのだ。

そうした報告をまとめた「痛いニュース」によると、症例として挙げられているのは、オープニングが終わった直後、船に乗った主人公が港を目指しているシーン。通常は必要な要件を満たせば、自然に港に到着するシーンに切り替わるのだが、マジコンでプレイしている場合には、永遠に港に到着しないという。つまり、それ以上ストーリーを進めることができないわけだ。仮に回避コードのようなものでこの症状が解消されたとしても、二の矢、三の矢の「トラップ」が現れるとの噂もある。

ネットではこうした「トラップ」に賞賛の声が上がるとともに、「セーブデータが消える」「ストーリー上重要な『結婚』ができない」「最後のボスが倒せない」といった、もっと厳しい「精神的ブラクラ」的な対策を求めるアイデアも次々と寄せられている。

実際のところ、スクウェア・エニックスからアナウンスが出されていないため、これが意図的に用意された「トラップ」なのか、単純に吸い出されたROMデータのときだけに出るバグなのか、ハッキリしたことは分かっていない。ただ、どのメーカーも違法コピーには手を焼いているのが現状。スクウェア・エニックスが対策に本腰を入れ始めたと考えても不思議ではない。

不正に入手したROMデータで遊ぶのは違法行為。売上げに悪影響を及ぼせば、結果的にソフトの価格に反映されてしまい、正規に購入しているユーザーが損をすることにも繋がる。そのため、メーカーの対策に期待する声は多い。今回の件はスクウェア・エニックスの対策であるかどうかは分からないものの、こうした症例がマジコン対策として有効に機能するという点は、ほかのメーカーにとっても参考になりそうだ。

（※）マジコンは吸い出したROMデータを動作させる機械のこと。機械自体は違法ではないが、ファイル交換ソフトや海外サイトなどからROMデータを入手し、マジコンで動作させることは違法となる。