ヴォーカルとギターを担当する中ノ森文子(AYAKO)を中心とした、4人組ガールズバンドの中ノ森BAND。もともとは、橘慶太(w-inds.)らも輩出している「スターライトオーディション」(ヴィジョンファクトリー=旧ライジングプロダクション主催)でグランプリを獲得した中ノ森文子を売り出すために結成された側面が強いバンドだったが、事務所(バーニンググループ)の強力な後押しもあって2005年のメジャーデビュー当初から次々とタイアップを獲得し、同年の日本レコード大賞では新人賞も受賞している。
そんな中ノ森BANDが6月30日、公式サイトのブログで突然活動に終止符を打つと発表した。活動は「6月いっぱい」までという、まさに電撃解散とも言える発表だ。ブログには各メンバーが次のようにコメントしている。
「それぞれの音楽性の違いにより、それぞれが別々の道に進む結果となりました」(AYAKO)
「この先私達は別々の道を歩いて行きます。今まで四人で歩いて来たけど、これからは一人一人で歩いて行きます」(YUCCO)
「これからはAYAKO YUCCO CHEETA メンバー個人個人の活動を見守って下さい」(SHINAMON)
「ファンの皆さんへすごく申し訳ない気持ちでいっぱいです。でもメンバーの中では前向きな結果です」(CHEETA)
解散の理由はAYAKOのコメントにあるとおり、「音楽性の違い」によるもの。バンドの解散理由としては月並みなものではあるが、中ノ森BANDは事務所によって集められた「寄せ集め」メンバーから始まった経緯から、これまでも幾度かメンバー間の音楽性の違いが話題になることがあったため、解散という着地点は最初から見えていたことなのかもしれない。なお、各メンバーの今後の活動は未定だが、SHINAMONはほかのメンバーへの応援を願うコメントを残していることから、引退すると見る向きもある。
中ノ森BANDはフジテレビ系ドラマ「みんな昔は子供だった」(主演:国仲涼子)の挿入歌「ラズベリーパイ」で2005年にメジャーデビュー。3rdシングル「Oh My Darlin’」はフジテレビ系ドラマ「鬼嫁日記」の主題歌、5thシングル「Fly High」は日本テレビ系ドラマ「CAとお呼びっ!」の主題歌、6thシングル「旅への扉」はTBS系バラエティ番組「恋するハニカミ!」のエンディングテーマなど、強力なタイアップを獲得していたが、セールス的にはいずれも5万枚にも満たず、苦戦が続いていた。