サッカー欧州選手権（ユーロ2008）の準決勝ロシア−スペイン戦がオーストリア・ウィーンで間もなく始まる。「ヒディンク・マジック」で絶好調のオランダを破ったロシアとイタリアをPK戦の末に下したスペインのどちらがドイツと決勝を戦うのかが注目されるが、24年ぶりの準決勝進出に、すでに現地入りしているという約8000人のスペインサポーターはもちろん、国内も大いに沸いているという。

スペインはバルセロナやレアル・マドリードなど国内リーグに世界屈指のクラブを擁しながらも、欧州チャンピオンズリーグ（CL）ではこの6年でバルセロナの1度のみ。毎回優勝候補に挙げられているワールドカップ（W杯）では1度も優勝していない。欧州選手権でも1964年の1度だけだ（ただし、2度以上優勝しているのはドイツとフランスのみ）。準優勝した1984年以来となる準決勝進出に、国民が熱狂するのは当然のことと言えるだろう。

その熱狂渦巻くスペインで、地元スポーツ紙マルカが「欧州選手権で優勝したら頭を剃るぞ！（SI ESPANA GANA LA EUROCOPA iYO ME RAPO!）」キャンペーンをグループリーグ中に開始したところ、26日現在で1万1194人の応募が寄せられている。このキャンペーンは、スペイン代表が欧州選手権で優勝した際に丸坊主になり、その証拠写真を同紙に送るというもの。化粧品メーカーの「ニベア」が協賛しており、応募者の中から抽選で10人ずつにビデオカメラとデジタルカメラがプレゼントされる。

代表監督の契約延長騒動に加え、ジーコ監督の指揮でトルコ史上2度目の欧州CL準々決勝進出を果たしたフェネルバフチェが仮契約を結んだことを公式サイトで発表したため、大一番直前でスペイン代表ルイス・アラゴネス監督の身辺が騒がしくなっている点が心配だが、選手たちは絶好調の様子。44年ぶりの優勝を達成すれば、スペイン国内は1万人の丸坊主であふれかえりそうだ。ちなみに、優勝した64年大会では、決勝でロシアの前身である旧ソ連と戦っている。