父との思い出が詰まった「ティーポット」、英男性が特別に作成。

2008/06/25 09:16 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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「アフタヌーン・ティー」といえば、紅茶にサンドイッチやスコーンなどのケーキを頂くものですが、この習慣の発祥の地はもちろん英国でございます。18世紀に始まったというこの文化は、女性向けの社交の場として発展したそうですが、正統派の「アフタヌーン・ティー」では、お茶の種類や質だけではなく、食器やテーブルのデコレーションなどにも、かなりのセンスを求められるとか。

とにかく高級なブルジョアの香りが漂ってきそうです(笑)。

まあ、そこまで気取ったことをしないまでも、英国のお茶の時間は、リラクゼーションや団らんの時間として重要視されていることは間違いありません。

ウェールズ西部のブロード・ヘブンという村に住むジョン・ローンデスさんも、父親と過ごしたお茶の時間を、今でも懐かしく思っているそうです。

「お父さんと飲んだお茶は、本当に特別だったんだ」

と語るジョンさんは、毎日のように父親と「パイントグラス」(通常ならビールを入れる専用グラス)でお茶を飲んではいろいろな話をしていたとか。

しかしジョンさん、大好きな父親を10年前に亡くしてしまい、それ以来寂しい思いをしていたのです。しかし彼は、なんとかしてあの思い出の時間を再現しようと考え、特別なティーポットを作ることを思いついたのです。そしてとある焼き物食器の職人さんの協力を受け、先日そのティーポットが出来上がったのですが……。

なんとそれ、亡くなった父親の遺骨を粘土に混ぜ込んで作ったというのです。

「これならお茶を飲むたびに、お父さんといつも一緒さ」

と喜びを語るジョンさん、これからまたパイントグラスで毎日お茶を飲んで思い出にひたるそう。遺骨をそんなことに使うなんてっ! と倫理的な面で怒る人もいるかもしれませんが、まあこれが彼なりの父親への愛情なんでしょう。そういうことにしておきましょう。

ちなみに、この仕事を依頼された職人さんは、ポットが割れてしまった時のことを考え、同じモノをふたつ作成してくれたんだとか。カスタマー・サービスしっかりしてますね(笑)。

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