過去の名曲を別のミュージシャンが演奏するカバーは、現在も洋の東西を問わず盛んに行われている。原曲に忠実なものからかなりのアレンジを加えているものまでその形態はさまざまで、受け止めるファン側の意見も賛否両論だ。こうした中で、英音楽専門誌トータル・ギターが「史上最高・最悪のカバー曲(Best & Worst Cover Of All Time)」の投票を実施し、最新号で結果を発表した。
ワースト1に選ばれたのは、セリーヌ・ディオンによるAC/DCの「狂った夜(You Shook Me All Night Long)」。2002年に行われた米ラスベガスでのライブでアナスタシアをゲストに迎えて披露したもので、同年リリースのライブ盤に収録されている。「YouTube」に投稿されているこの曲を聴いてみると2人の声量に圧倒されるものの、バラードシンガーによるハードロック・カバーはロックファンからの酷評を浴びてしまったようだ。同曲はキッスもカバーしているが、ベストにもワーストにもランクインしなかった。
このほかワーストランキングでは、2位がガールズ・アラウドとシュガーベイブスの英女性ポップグループ2組によるRUN D.M.C.とエアロスミスの「お説教(Walk This Way)」、3位は英男性グループポップグループのウェストライフによるエクストリームの「モア・ザン・ワーズ」で、4位にオーディション番組優勝者の英男性歌手ウィル・ヤングによるドアーズの「ハートに火をつけて(Light My Fire)」、5位には日本でも酷評を受けたマイク・フラワーズ・ポップスによるオアシスの「ワンダーウォール」が選ばれている。
一方、ベストランキングではジミ・ヘンドリックスによるボブ・ディランの「見張り塔からずっと(All Along The Watchtower)」が1位に輝き、ビートルズの「ツイスト・アンド・シャウト」(トップ・ノーツ)、ガンズ・アンド・ローゼズの「リヴ・アンド・レット・ダイ」(ウィングス)、ニルヴァーナの「世界を売った男(The Man Who Sold the World)」(デヴィッド・ボウイ)、ミューズの「フィーリング・グッド」(アンソニー・ニューリーとレスリー・ブリッカス)がトップ5となった。