初回でいきなり26.4％の高視聴率を叩きだし、今年の「春ドラマ」の視聴率争いをけん引してきた日本テレビ系の「ごくせん」。木村拓哉主演の月9ドラマ「CHANGE」との視聴率対決の行方は毎週のように話題を呼んできたが、14日に放送された第9回で20％の大台を割り込み、17.6％まで数字を下げてしまった。圧倒的な強さで「春ドラマ」の先頭を走ってきた「ごくせん」だが、振り返ればまだ5回の放送を残す「CHANGE」と、12日放送分が20.7％を記録した「ラスト・フレンズ」の足音が聞こえてきている。

「ごくせん」の視聴率は第6回あたりから大きく下げ始め、ここ3回は21％台で推移。ストーリーのマンネリ化や、前シリーズとの比較で「質の低下」を指摘する声も上がっているが、それでも20％の大台はキープしていることに及第点を与えるファンは多かった。ただ、20％の大台はおろか、18％を割ってしまったのは「まさか」の展開。17.6％という数字は、終盤に向けて高視聴率を連発している「ラスト・フレンズ」の前3回（18.8％、18.0％、20.7％）の視聴率をも下回っている。

この視聴率急落はなぜ起きたのか。ひとつは日本テレビ系で19時台から「W杯アジア3次予選 日本vs.タイ戦」の生中継が行われた関係で、「ごくせん」の放送開始時間が通常よりも30分遅い21時30分からにズレ込んでいたこと。もうひとつは、裏のフジテレビ系が19時から「古畑中学生〜古畑任三郎生涯最初の事件〜」（13.3％）、21時から「古畑任三郎ファイナル・ラスト・ダンス」（14.1％）を放送していたこと。さらにテレビ朝日系も「相棒　劇場版大ヒット記念緊急SP」（16.9％）を放送するなど、諸条件が重なってしまい、「ごくせん」の視聴率に大きな影響が出たようだ。

今回は「ごくせん」にとって不運な結果となったが、通常の条件下に戻る21日の放送分は再び視聴率が上昇に転じる可能性も。果たして「春ドラマ」の視聴率競争の行方は如何に。