米プロバスケットボール協会（NBA）は、王者を決めるファイナル（7回戦制）の真っ最中。今季は、レギュラーシーズンで全チーム唯一の勝率8割（66勝）を記録した東カンファレンス王者ボストン・セルティックスと、高レベルな西カンファレンスで第1シードを獲得してプレーオフも制したロサンゼルス・レイカーズの対決となった。
NBA61年の歴史でファイナルを牛耳ってきた両チーム、進出回数ではレイカーズがミネアポリス時代も含めて29回と、今回が20回目のセルティックスを大きく引き離しているが、勝率ではセルティックスが84％（16勝3敗）とレイカーズ（50％、14勝14敗）を圧倒。10度の直接対決でも、8勝2敗でセルティックスが大きくリードしている。
それを反映するかのように、1987年以来、21年ぶりの直接対決となった今季ファイナルも、第4戦を終えた時点でセルティックスが3勝1敗とリード。22年ぶり、史上最多を更新する17度目のチャンピオンリング獲得に王手をかけた。レイカーズの本拠地で行われる第5戦は注目なのだ。
こうしてファイナルが盛り上がる中で、米スポーツ専門局のESPNが歴代NBAファイナルで活躍した選手50人の番付を発表した。ファイナルMVPの歴代受賞回数1位は、“神様”ことマイケル・ジョーダン選手（元シカゴ・ブルズほか）の6回。それに続いて、マジック・ジョンソン選手（元レイカーズ）、レイカーズ時代のシャキール・オニール選手（現フェニックス・サンズ）、ティム・ダンカン選手（サンアントニオ・スパーズ）が3回で並んでいるが、今回の番付ではこれらの選手を抑え、06年にファイナルMVPを受賞したドウェイン・ウェイド選手（マイアミ・ヒート）が1位に輝いている。
このシーズンのウェイド選手は、当時在籍していたオニール選手の不調を補うほどの活躍をみせ、特にファイナルでは平均得点34.7、平均リバウンド7.8、平均アシスト3.8、フィールドゴール成功率46.8％を記録。ファイナル制覇の原動力となった。この記事を執筆したESPNのNBAアナリスト、ジョン・ホリンガー氏が開発した分析手法「PER（Player Efficiency Rating）」では歴代最高の33.8がつけられ、番付のトップとなった。
一方、2位は03年のダンカン選手、3位は91年のジョーダン選手となっており、4、5位は02年、00年のオニール選手。ダンカン選手は99年の活躍も7位となっており、ジョーダン選手は98年が6位、97年が8位、92年が10位でトップ10に4つランクイン、オニール選手も01年の活躍が9位に選ばれている。つまり、1位以外のトップ10は、この3選手が独占しているのだ。
このほか、マジック・ジョンソン選手が12位（88年）、28位（80年）、48位（82年）で、ジョンソン選手のライバルであるセルティックスのラリー・バード選手は23位（84年）、29位（86年）。昨季に欧州出身選手で初のファイナルMVPを獲得したトニー・パーカー選手（スパーズ）34位で、MVP獲得選手以外での最高位は、ユタ・ジャズ時代のカール・マローン選手の17位（98年）だった。
今季、シーズンMVPを初受賞したレイカーズのコービー・ブライアント選手は、プレーオフも平均得点30.8を記録するなどセルティックスのエース、ケイビン・ガーネット選手を上回る活躍をみせている。背水の陣であるレイカーズを牽引し、ファイナルMVPの初受賞にも期待したい。
☆ESPN歴代NBAファイナル活躍選手番付 トップ20
1位 ドウェイン・ウェイド（06年、ヒート） 33.8
2位 ティム・ダンカン（03年、スパーズ） 32.0
3位 マイケル・ジョーダン（91年、ブルズ） 31.5
4位 シャキール・オニール（02年、レイカーズ） 31.4
5位 シャキール・オニール（00年、レイカーズ） 31.1
6位 マイケル・ジョーダン（98年、ブルズ） 30.8
7位 ティム・ダンカン（99年、スパーズ） 30.7
8位 マイケル・ジョーダン（97年、ブルズ） 29.5
9位 シャキール・オニール（01年、レイカーズ） 29.4
10位 マイケル・ジョーダン（92年、ブルズ） 29.2
11位 ティム・ダンカン（99年、スパーズ） 30.7
12位 マジック・ジョンソン（98年、レイカーズ） 27.5
13位 シャキール・オニール（01年、レイカーズ） 29.4
14位 マイケル・ジョーダン（93年、ブルズ） 27.6
15位 アイゼイア・トーマス（90年、ピストンズ） 27.1
16位 チャウンシー・ビラップス（04年、ピストンズ） 27.1
17位 カール・マローン（98年、ジャズ） 26.8*
18位 モーゼス・マローン（83年、76ers） 26.0
19位 ショーン・ケンプ（96年、スーパーソニックス） 25.8*
20位 ビル・ウォルトン（77年、トレイルブレイザーズ） 23.3
※数字はPER、*は非ファイナルMVP受賞者
