米紙記者が謎の松井秀喜選手トレード提案、ファンから批判コメント。

2008/06/09 23:44 Written by コジマ

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昨季までの不振や故障、恩師ジョー・トーリ監督の退任などから、開幕前は今季の構想外といわれていた米大リーグ、ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜外野手。球団側がサンフランシスコ・ジャイアンツへトレードを持ちかけるなど、シーズン開始前の放出も噂されていたほどだ。

ところが開幕してみると予想を大きく上回る大活躍をみせ、一時はアレックス・ロドリゲス内野手の代わりに4番を務めるなど絶好調。6月9日現在で、打率は調子が上がらないシアトル・マリナーズのイチロー外野手(.290)を凌駕し、ア・リーグ2位の.329を記録している。3月27日に発表した結婚も、良い影響をもたらしていることがうかがえるのだ。

こうして復調した松井選手だが、チームは現在32勝31敗と勝率5割以上をキープしているものの、ア・リーグ東地区首位のボストン・レッドソックスに6.5ゲーム差をつけられており、特に昨季大きく勝ち越した中地区のチームに10勝14敗と苦戦中。こうした状況を打開すべく、辛口で知られる地元紙ニューヨークポストの記者ジョエル・シャーマン氏がヤンキースに対して5つのトレードを同紙のブログで提案しているが、その中で松井選手の放出を含めており、ファンから批判のコメントが寄せられている。

大リーグでは7月末がトレード期限となるが、シャーマン氏はアラン・ホーン、ロス・オーレンドルフ両投手とピッツバーグ・パイレーツのダマソ・マーテ投手、メルキー・カブレラ外野手、イアン・ケネディ投手、オースティン・ロマイン捕手とオークランド・アスレチックスのヒューストン・ストリート投手などのトレードを「ヤンキース再建案」として提案した。

松井選手は3つめに挙げられており、同氏は「現在、ジョニー・デーモンと松井秀喜は好調だ。しかし、同ポジションの高年俸ベテラン選手を2人も抱える必要があるだろうか。松井をトレードに出してデーモンを左翼、ジアンビを指名打者に据えれば残りのシーズンも乗り切れるだろう。また、松井がベンチにとどまることもなくなる」との持論を展開。ホセ・タバタ外野手らとともにジャイアンツへ放出し、ジョナサン・サンチェス投手とランディ・ウィン外野手を獲得すべきだとしている。

3選手の現在の成績を見てみると、松井選手が打率.329、6本塁打、29打点、デーモン選手が打率.328、6本塁打、31打点、ジアンビ選手が打率.259、14本塁打、34打点と、3選手とも昨季までの成績と比べ目を見張る活躍をしている。成績は拮抗しているが、これでなぜ松井選手がトレードの対象となるのかは理解しがたいところだ。

この不思議な提案にヤンキースファンから怒りの声が上がっており、「ぼくらは松井を絶対にトレードへ出さない。彼がニューヨークに来て6年目になる。7年前に何人のヤンキースファンが日本でピンストライプが有名になると思っただろうか。松井と王(建民)がいることで、日本と台湾、香港で試合が中継されるという経済効果もある」などの擁護や、「3つめのトレードは明らかに損だ。それにウィンは良い選手じゃないと思う」と分析する意見が投稿されている。

ちなみに、7月15日にヤンキースタジアムで開催されるオールスターについて、別の地元紙ニューズデーはライバルであるレッドソックスの選手が多数選出されることから、「レッドソックスであふれかえるオールスター」と嘆きながらも、レッドソックスのデービッド・オルティス内野手が故障したことにより、中間結果で指名打者部門2位の松井選手が出場できることについて安堵しているようだ。

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