F1初勝利のR・クビサ選手、ピットレーン事故で「ハミルトンに感謝」。

2008/06/09 22:02 Written by コジマ

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モナコに続き、波乱の展開となったF1第7戦カナダグランプリ(GP)。一時2番手につけていた中嶋一貴選手(ウィリアムズ)ら7台がリタイアする中で、ロバート・クビサ選手(BMW)が自身にとってもチーム(ザウバー買収以降)にとっても初の勝利を手にした。

モナコGP終了時点でドライバーズポイント4位だったクビサ選手だが、この勝利によって2位のルイス・ハミルトン選手(マクラーレン)とフェリペ・マッサ選手(フェラーリ)に4点差の42ポイントで首位に立っている。また、同僚のニック・ハイドフェルド選手も2位に入ったことから、チームは1位のフェラーリに3点差に迫る70ポイントで2位に上昇した。

そのカナダGPで最大のアクシデントとなったのが、ピットレーンでの事故。上位勢が給油するタイミングでエイドリアン・スーティル選手(フォース・インディア)がコース脇にストップしてセーフティカーが導入されたため、処理が終わってピットレーン開放されるとマシンが殺到した。上位を争っていたクビサ選手とキミ・ライコネン選手(フェラーリ)が同時に出口へと向かったものの、赤信号に従って2台ともストップ。その後方から、止まりきれなかったハミルトン選手がライコネン選手に追突し、さらにニコ・ロズベルグ選手(ウィリアムズ)がハミルトン選手に追突するという玉突き事故になってしまったのだ。

この事故でポイント上位のライコネン選手とハミルトン選手がそろってリタイアすることになったが、レース後のコメントでクビサ選手は初優勝の喜びを述べるとともに、「出口で赤信号が灯っていたから止まったんだ。キミもぼくの横でストップしたけど、ハミルトンが彼のマシンに追突したときに大きな音が聞こえた」と状況を説明。さらに「ルイス(・ハミルトン)に感謝しなきゃならないね。だって彼はぼくではなくキミを選んでくれたんだから」と続けた。

一方、リタイアした際、一緒にマシンを降りたライコネン選手に赤信号だったことをジェスチャーで説明されていたハミルトン選手は「ピット出口でぼくの前の2台がポジション争いをしているのが見えた。ぼくは彼らの小競り合いに巻き込まれたくなかったから、そうならないように努めたけど、彼らはいきなり止まったんだ。僕は避けるのが間に合わなかった。こういうアクシデントは不運としか言いようがない。でも審査委員への弁解はしないよ」としている。

また、ライコネン選手は「ぼくのレースはハミルトンのミスで台無しになった。もちろん、誰だってミスをするし、ぼくも2週間前のモナコでやっちゃったからね。でも時速320キロでミスすることもあれば、赤信号で止まっているマシンにぶつかることもある。何の影響もないし、結果も変わらないから怒ってないよ! ただ、勝てるチャンスがあったから残念だったけどね」と述べた。今回の事故がスーティル選手のリタイアが遠因になっていることから、モナコGPでスーティル選手へ追突したライコネン選手に「天罰が当たった」とするファンもいるようだ。

今回の事件について国際自動車連盟(FIA)は、ハミルトン選手とロズベルグ選手に対して次戦フランスGPで予選順位から10グリッド降格のペナルティを科すと発表した。現在ドライバーズポイント2位のハミルトン選手だが、カナダGPのリタイアとフランスGPでのペナルティは、チャンピオン争いに向けて大きな痛手となりそうだ。

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