ジブリ作品「海がきこえる」の原作者、小説家の氷室冴子さんが死去。

2008/06/06 20:47 Written by Narinari.com編集部

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「月刊アニメージュ」に連載された小説を原作に、1993年、スタジオジブリの手によってアニメ化された「海がきこえる」。宮崎駿と高畑勲という、ジブリの二枚看板は制作にタッチせず、若手の望月智充(当時34歳)がメガホンを執った長編アニメ作品だ。現在は新作の長編アニメはすべて劇場で公開されるジブリ作品だが、「海がきこえる」はテレビでのみ放送され、その後、ビデオやDVD化もされている。ほかのジブリ作品に比べると有名なタイトル……とは言い難いが、東京からやってきた転校生の武藤里伽子と、そんな彼女に恋をする杜崎拓との淡い恋物語は心地よく、熱烈に支持するファンが多いのも「海がきこえる」の特徴だ。

そんな「海がきこえる」の原作を手がけた小説家の氷室冴子さんが、6日、肺がんのためこの世を去った。51歳。ここ10年近くはあまり目立った執筆活動をしていなかったが、1990年代には「海がきこえる」のほかにも、「なんて素敵にジャパネスク」シリーズなどで人気を博した小説家だけに、その死を惜しむ声は多い。

氷室冴子さんは、「海がきこえる」以外にも映像化された作品がいくつかあり、その一つが代表作でもある「なんて素敵にジャパネスク」だ。1987年に富田靖子主演で2時間ドラマ化(日本テレビ系)され、共演者に木村一八、石坂浩二、仲村トオル、かとうかずこ、中田喜子、京本政樹、佐藤B作といった豪華キャストが集い、シリーズ化も視野に入れられていたという。ただ、1988年に木村一八がタクシー運転手を暴行、所属の吉本興業を解雇となる事件が起きたことから、続編はお蔵入り。ビデオやDVD化も見送られている。

ほかにも1985年には少女隊の主演で「クララ白書」が、1986年には斉藤由貴の初主演で「恋する女たち」がそれぞれ映画化。特に金沢を舞台に、3人の女子高生の恋模様を描いた「恋する女たち」は少女の心の機微がうまく描かれた作品として、そして何よりも初々しい斉藤由貴のかわいらしい演技が一部で今も高く評価されている。

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