「子に体罰を与えなければ罰金」、判事の決定に両親が反発。

2008/06/06 07:14 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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児童虐待に対する認識が、日本とは比べ物にならない米国。12歳以下の子供を家に1人で残して外出することや、子供の前で夫婦喧嘩をして怒鳴りあうことさえも「虐待」と受け取られるケースもあるそうです。誰かが子供を虐待していると警察が通報を受けた場合、24時間以内にソーシャルワーカーがその家庭を訪問し、その事実があると判断された場合には、その場で子供が保護されます。

ところがこうした反面で、米国では「Corporal Punishment」と呼ばれる「教育的な体罰」がいまだに合法な地域が多いとか。これには学校での先生による体罰も含まれています。キリスト教の「しつけ」に由来するんだそうですが、南部を中心とした全23州でいまだに合法なんだそうです。虐待はダメだけど体罰はOK……、なんだか矛盾している気がするんですが(汗)、まあ個人によって意見が分かれているのでしょうが、白黒ハッキリさせることが好きな米国の文化では、珍しい現象ではないでしょうか。

さて先日テキサスで、とある両親が裁判所を相手取って、体罰に関する訴えを起こしました。なんでも、彼らが居住している郡の裁判官が、彼らに対し、

「素行の悪い娘に対して、木材製のパドルで体罰を与えない限り、彼女を有罪判決に課し、500ドルの罰金を徴収する」

と迫ったのだそうです。何らかの問題を起こして補導されたこの14歳の少女に対し、親が何らかの罰を与えないと、彼女を成人として裁判所が罰するよ、という意思表示だったと思うのですが、親はこれを「憲法違反」だとして逆にこの決定を出した判事を訴えたのだとか。ちなみに、テキサスは体罰を「合法」と定めている州のひとつ。

体罰に対する意見が真っ向から分かれ、しかも当事者が体罰を率先する「行政」とそれに抵抗する「両親」という不思議なケース(逆はなんだかありそうな)ですが、果たして今後はどういう判決が出されるのでしょう? 気になるところですねぇ。

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