米心理学者が科学的に検証「セックスで得られる10の健康的効果」。

2008/05/24 11:53 Written by コジマ

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セックスによって緊張緩和やストレス発散など、精神的な効果が得られることが注目されている。スポーツ選手の間では試合前に禁欲することが常識化しているが、近年はリラックスできることから、むしろ試合前のセックスは有効だとする研究も発表されているようだ。

こうした中で医学サイト「WebMD」が、米女性心理学者のジョイ・デビッドソン博士らによる科学的研究に基づく「セックスで得られる驚くべき10の健康的効果(10 Surprising Health Benefits of Sex)」なるものを掲載した。それによると、カロリー消費やストレス緩和だけでなく、がんや心疾患のリスクが低下する効果もあるのだとか。

デビッドソン博士らが示した10の効果とは、

1. ストレスの緩和
2. 免疫力の向上
3. カロリーの消費
4. 心疾患リスクの低下
5. 自尊心の充足
6. パートナーへの親密さと信頼感の上昇
7. 痛みの緩和
8. 前立腺がんリスクの低下
9. 骨盤底筋の強化
10. 安眠

詳細は以下のとおり。

1つめのストレスの緩和については、スコットランドで行われた女性24人、男性22人を対象とした研究などでストレスの軽減と血圧を下げる効果が認められたという。特に拡張期血圧(最低血圧)との関連が深く、他の研究ではパートナーと抱き合うことで女性の血圧が下がるという結果も出ている。

2つめの免疫力の向上は、風邪などの感染症にかかりにくくなるという効果がある。米ウィルキス大が学生112人を対象に行った研究によると、週に1〜2回セックスする人は、週1回未満の人と比べて唾液中の抗体(IgA)がより高い濃度になっていたという。ただし、週3回以上の人では逆にIgA濃度が低下していたというので、「過ぎたるは及ばざるがごとし」のようだ。

3つめについては、30分の行為で85キロカロリー以上を消費するそうで、同サイトは「少なく聞こえるかもしれないが、42回の“セッション”で3750キロカロリーを消費することができる。これは体重1ポンド(約453グラム)以上に相当する」と述べている。また、米性教育治療協会のパティ・ブリトン会長は「セックスはすばらしいエクササイズ法だ」と推奨しているのだとか。

4つめの心疾患リスクの低下については、914人の男性を対象とした英国の研究から、週2回以上セックスしている人の半数が、月1回未満の人に比べて心臓発作のリスクが下がったことが明らかになっている。セックスは脳卒中を引き起こす危険性が指摘されていたが、同研究では関連性が認められなかったのだそう。血圧の低下作用とも関連しているかもしれない。

5つめは、米テキサス大の調査によると、人々がセックスする237の理由のうちの1つが「自尊心を満たすため」だったとのことで、米心理学者のジーナ・オグデン博士は「セックスは自尊心から欲求し、愛情深いものであれば自尊心が満たされる」と解説している。

6つめのパートナーへの親密さと信頼感の上昇は、59人の女性を対象に行われた米ピッツバーグ大と米ノースカロライナ大の研究から、行為の前後にパートナーの温かい触れ合いがあった場合、「愛情ホルモン(love hormone)」と呼ばれるオキシトシンの濃度が上昇したことが明らかになっている。オキシトシンの濃度が高いと寛大さが上昇するそうで、夫婦や恋人同士の仲が円満になる秘訣でもあるようだ。

7つめの痛みの緩和にもオキシトシンが関連しており、痛みを和らげるエンドルフィンという物質を増加させるそうで、医学誌に掲載された研究ではオキシトシンを吸入した48人中半数以上に痛みの緩和が認められたという。

8つめの前立腺がんは、米国では男性の癌死第2位で、日本でも50歳以上の男性で約230人に1人がかかるといわれている。オーストラリアの研究では、性的パートナーのいる20代の男性は30代〜50代になっても前立腺がんにかからず、週5回以上射精した男性では前立腺がんのリスクが3分の1になったと報告している。また、月4〜7回しか射精しない人に比べて月21回以上の人は、年齢を重ねた際に前立腺がんにかかりにくいという報告もあるようだ。

9つめについては、30代女性の約3割がせきやくしゃみをした時に尿が漏れた経験があるといわれているが、その原因として、肛門付近にある骨盤底筋と呼ばれる筋肉の力の衰えが指摘されている。そのため骨盤底筋体操が推奨されているが、セックスでもこの骨盤底筋が鍛えられるという。

最後の安眠にも前出のオキシトシンが関連しており、睡眠を促してくれるという。オキシトシンというホルモンは「愛情ホルモン」というよりも「健康ホルモン」といえるのではないだろうか。同サイトは「十分な睡眠をとることで健康的な体重と血圧値など、さまざまな良い効果がもたらされる」としている。

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