欧州CL決勝は雨中の激戦、初のイングランド勢対決を制したのは?

2008/05/22 06:38 Written by コジマ

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サッカーの本場欧州でナンバー1のクラブを決定する欧州チャンピオンズリーグ。今季は、前回王者のミラン(イタリア)がアーセナル(イングランド)に敗れて決勝トーナメント1回戦で姿を消したが、ジーコ監督率いるフェネルバフチェ(トルコ)の大躍進など見所の多い大会となった。そして、初のロシア開催となった決勝はマンチェスター・ユナイテッド対チェルシーという初のイングランド勢対決となったのだ。決勝での同国対決は3度目となる。

リーグ戦に続いて今季2冠を狙うマンUは、MFクリスティアーノ・ロナウド選手、FWウェイン・ルーニー選手、FWカルロス・テベス選手らが先発。MFライアン・ギグス選手らはベンチスタートとなった。一方、リーグ戦のタイトルを惜しくも逃したチェルシーは、MFミハエル・バラック選手のほか、リーグ戦最終節で負傷したFWディディエ・ドログバ選手や主将ジョン・テリー選手、前日の練習で負傷したDFアシュリー・コール選手らも先発出場した。

前半20分にチェルシーのMFクロード・マケレレ選手と接触したマンUのMFポール・スコールズ選手が顔面から流血する事故が起き、両チームの選手が騒然となる一幕があった。その6分後、治療を終えてピッチに復帰したスコールズ選手から渡されたボールをDFウェズ・ブラウン選手がクロスを上げ、C・ロナウド選手がヘッドで押し込んでマンUが先制。C・ロナウド選手にとってチェルシー戦初ゴールだった。

しかし前半終了間際の45分、相手DFにはじかれたシュートをチェルシーのMFフランク・ランパード選手が押し込み同点。得点したランパード選手は、先日亡くなった母に捧げるように空を仰いだ。

試合前にマンUのアレックス・ファーガソン監督が「とても拮抗した試合になるだろう」(ロイターより)と予想していたとおり、一進一退の攻防が続いて1-1で前半を折り返したが、後半はチェルシーが押し気味。しかし、チェルシーは傾いた流れをつかむことができず、90分では決着がつかなかった。ちなみに、後半41分から出場したギグス選手が、この試合を観戦していたボビー・チャールトン氏が持つ最多出場記録を更新している。

激しい雨が降る中、延長後半9分に乱闘寸前の騒動となり、マンUのDFネマニャ・ビディッチ選手に対して手を出したドログバ選手がレッドカードで退場。それでも決着がつかず、05年のリバプール−ミラン戦以来となるPK戦に突入した。

マンU側のゴールで行われたPK戦は、マンU3番手のC・ロナウド選手のシュートをチェルシーのGKペトル・チェフ選手が止めたが、チェルシー5番手の主将テリー選手が雨で滑って外し、さらに7番手ニコラ・アネルカ選手のシュートをGKエドウィン・ファン・デル・サール選手が止め、デビッド・ベッカム選手(現ロサンゼルス・ギャラクシー)が所属していた99年以来、9季ぶりにマンUが欧州王者に輝いた。

ビッグイヤーを手にしたマンUの選手たちが喜びを爆発させる一方、チェルシーはオーナーであるロマン・アブラモビッチ氏の出身国で、リーグ戦同様、あと一歩で栄光を逃してしまった。

試合の決着と同時に、PK失敗のためピッチで号泣していたC・ロナウド選手がリーグ戦に続いて得点王に輝いている。これにより、今季の欧州最優秀選手(バロンドール)をほぼ手中にした。

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