新車を購入する際、現在乗っている車を中古車買取店に売却するなら、少しでも高く買い取ってもらいたいところ。近年はインターネットなどでも利用できるため、さまざまな店で査定してもらう人も多いようだ。
こうした中で、「オートカージャパン」や「カーマガジン」などの自動車雑誌を出版しているネコパブリッシングの笹本健次代表取締役が、自身のブログで中古車買取大手ガリバーインターナショナルの買い取りシステムについて「ルール違反だ」と激しく批判し、注意を促している。
「ガリバー商法にはビックリです」と題した5月20日のエントリーによると、笹本氏は新車を購入した際に、それまで乗っていたメルセデスベンツ「C240」をディーラーの下取りに出すか専門店に売却するか悩んだ末、自動車雑誌編集者としての経験収集も含めて、さまざまな中古車買取店で査定してもらうことにしたという。同氏にとって初の経験だったのだとか。
その中で最も高額な価格提示をしたガリバーに売却することを決定したが、契約の段階で同社の従業員に「万が一、重大なトラブル、例えば、事故車であったとか、があった場合、請求をしないで済むように保険に入ってくれ」と言われたとしている。
この発言に、同氏は「呆れ返った」「それなら、なぜ査定をしたのか理解できないし、その時、チェックできなければ、それは買った人のリスクではないのか。また、そのような事態を避けたければ、買った側の費用で保険に入るべきで、売る側の費用負担ではないはずだと思う。」と鋭く批判。さらに、ガリバー側が「このような仕組みがあるのも、お客さんに高い値段を設定したいからです」と説明したことについては、「これは、語るに落ちていて、それなら、保険料分だけ引いた額を提示されたほうが、余程、客としては、気持ちが良いはずだ。」と反論した。
こうしたガリバーの姿勢に対し、「中古車は現状有姿が基本で、後でどうこう言うのは、ルール違反である。見抜けなかった責任を売り手に押し付けようというのは、到底信じられない。」と怒り心頭の様子で、「こうした見せ掛けの高値につられて、ガリバーに持ち込み、実際は、余計な費用が掛かり、いやな思いをしている人はかなりいるように思う。」とし、「巧妙なすり替えには要注意だ。」と警鐘を鳴らしている。
このブログのコメント欄には、読者からガリバーで嫌な経験をしたエピソードが投稿されており、「消費者を保護するためにも覆面調査をして雑誌で公表してみてください」「ぜひ、御社の雑誌で、ガリバーだけでなくその他の買取専門店のこうした実態を取り上げてほしいと思います」などの依頼も。これに対して、笹本氏は「ジャーナリストとしては、どこが一番良心的なのか、実態を調べてみたいと思っております」と返答している。