開幕から49試合が経過した5月21日現在、21勝28敗で5位に低迷しているオリックス。タフィ・ローズ外野手、アレックス・カブレラ内野手、グレッグ・ラロッカ内野手の強力な助っ人トリオに加え、浜中治外野手、古木克明外野手、北川博敏内野手、清原和博内野手ら、中・長距離バッターがズラリと並ぶ打線を夢見て臨んだ2008年シーズンだったが、ローズ選手以外は打撃不振やけがに見舞われ、本領を発揮できずにいるのが現在の状況だ。昨年は2004年以来の最下位に沈んだが、今シーズンもこのままチーム状態が上向いていかないようなら、「2年連続最下位」の悪夢も現実味を帯びてきそうな雰囲気になっている。
そうした中、コリンズ監督がシーズン途中での辞任を申し入れ、球団がこれを了承。21日の阪神戦後に行われた会見でコリンズ監督は「監督は強い情熱を持っていなければ。でも、メラメラと燃えるものがなくなった」と、チームの低迷と共に情熱が失われてしまったとの心境を明らかにしている。なお、監督辞任に伴い、マイク・ブラウン投手コーチとジョン・ディーバス打撃コーチも辞任することも発表された。
実は5月4日に行われたソフトバンクとの試合後、コリンズ監督の談話に辞任の前触れとも取れる発言があった。「誰も私の指示を聞いてくれない。うなずいて聞いているフリをしているだけ。言うのもしんどくて、あきらめた」(
サンケイスポーツより)。この言葉だけですべての状況を理解するのは難しいが、選手とのコミュニケーションが上手く取れていなかったことはうかがえる。外国人監督ゆえの苦悩をコリンズ監督が抱えていた可能性は高い。
オリックスは2003年のシーズン途中に石毛宏典監督が辞任してから、監督人事は迷走状態。石毛監督の後を引き継いだレオン・リー監督、2004年の伊原春樹監督、2005年の仰木彬監督、2006年の中村勝広監督は、それぞれ就任年に監督を辞している。コリンズ監督は2年目だが、やはり長続きはしなかった。
23日の広島戦からは大石大二郎ヘッドコーチが監督代行として指揮を執る。来季以降、大石コーチが監督に昇格するかどうかは現時点では不透明だが、チームの立て直し、そして将来を見据える意味でも、大石監督代行が残りのシーズンをどう戦うか、注目しておきたい。