暴動問題のJ1浦和に批判殺到、日本初の「勝ち点剥奪」も検討。

2008/05/18 18:14 Written by コジマ

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1位の浦和が10位のG大阪に2-3で敗れたJリーグ第13節。最近、Jリーグが抱えている問題が一気に噴出したかのように、この試合はピッチ内外で大騒動が起こった。ピッチ内では、試合終了後にG大阪の選手たちが勝利の儀式「ワニナレナニワ」で喜びを爆発させているところへ、浦和のMF田中マルクス闘莉王選手とFWエジミウソン選手が飛び込んだことにより、乱闘寸前のもみくちゃ状態に。これを受けて観客席でも両サポーターが乱闘を始め、浦和サポーター約5000人がG大阪サポーター約1000人をスタジアム内に3時間ほど“軟禁”。機動隊や警官隊が出動する大騒動に発展した。この乱闘により、G大阪サポーターの男性が右足首打撲のケガを負っている。

今回の騒動の遠因となったのは、一部から「浦和戦で問題の判定を下す」との指摘を受けている岡田正義主審の“誤審”。前半ロスタイムでどちらのボールか判定を下さず、ボールを取ったG大阪のFWバレー選手がスローインし、浦和は2点目を奪われた。さらに岡田主審は、この判定に事情説明を求めた浦和の主将MF山田暢久選手にイエローカードを提示し、ハーフタイムに異議を唱えたGK都築龍太選手にも警告を与えている。この判定について、闘莉王選手は「ひどい。あれでは試合が荒れる」(スポーツニッポンより)、MF相馬崇人選手は「最近、Jリーグでこういう試合が多すぎる。主役は俺らなのに、あの人(主審)が主役として試合を動かしていた。寂しいです」(サンケイスポーツより)と不満を漏らし、中には「審判が試合を壊した。あれだけ熱くなれば、相手を殺してやろうという感じになる。僕らも生活がかかっている」(スポーツ報知より)と過激な発言をする主力選手もいたのだとか。

この“誤審”には浦和サポーターも怒りを爆発させ、スタジアムには地鳴りのようなブーイングがわき起こった。こうして異様な雰囲気に包まれたまま試合はホームの浦和が敗れたが、G大阪の選手による勝利の儀式でピッチ内でもみ合いが始まると観客席にも伝播し、両サポーターは南ゴール裏の緩衝地帯にあったフェンスをなぎ倒して衝突を開始。浦和サポーターはG大阪サポーターをスタジアム内に閉じ込める暴挙に出た。

これについて、ネットでは浦和サポーターへの批判が殺到。警察の調べによると、サポーター同士の騒動は、試合中からG大阪のサポーターが水風船やペットボトルを浦和側の観客席に投げ入れたことがきっかけとされており、投げ込まれた水風船が浦和サポーターの子供に当たったという話も出ている。そのことに理解は示しているものの、「向こうに非があれば何しても許されると思っているのか」「軟禁して一般客に不安を与えるのは最低だ」「海外サッカーリーグの悪いところをマネする必要はない」など、厳しいコメントが多数を占めているのだ。

また、勝利を喜ぶ相手選手に対して抗議した浦和の選手に対して「子供じみた行為は許されるはずはない」、浦和の運営についても「適切な対処をしてれば、ここまでの騒動に発展してなかったのではないか」との指摘もされている。

過去の例では、処分の対象となるのは主催クラブのみで、浦和は厳罰を避けられない状況となっている。Jリーグは今回の暴動が前例のない大規模なものであることを重く見ており、Jリーグ初となる「勝ち点剥奪」の可能性も検討しているという。

浦和の藤口光紀社長は「その仕返しから物を投げ合うのは良くない。こんな事態になって残念」(毎日新聞より)としたうえで、G大阪の選手が円陣を組んで飛び跳ねた“挑発行為”に原因があると示唆。一方で、暴動を起こしたサポーターへの処分や、緩衝地帯の拡大などの対策は考えていないのだとか。

今季はJリーグの注目度が上昇しているが、今回の騒動が高まってきた人気に水をさすことになりかねない。ネットでは浦和への批判とともに、騒動が二度と起こらないよう、当事者が反省することを望む声が強いようだ。

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