1996年1月に東京・三軒茶屋にオープンした「焼肉市場 七輪」を起源とする、レインズインターナショナルの焼肉チェーン「炭火焼肉酒家 牛角」。1997年10月に「牛角」に名称変更後から店舗を拡大し続け、現在は全国47都道府県すべてに店舗展開している。今でこそ「牛角」のスタイルを模倣したライバルチェーンはいくつもあるが、「安くても美味しい」「メニューが豊富」「随時新しいメニューを追加」「既存の焼肉店に比べるとオシャレな雰囲気」という「牛角」のスタイルは、特に店舗拡大を始めた1990年代後半には唯一無二の存在で、主に若者から絶大な支持を集めたのは記憶に新しいところだ。
この「牛角」は海外にも積極的に進出しており、米国に12店舗(ハワイ2店舗含む)、台湾に4店舗、シンガポールに2店舗、インドネシアに2店舗を展開中。特に米国での評価は高いようで、米テレビ局のFOXが選出したロサンゼルスの「2007 Best Romantic Restaurant」Japanese部門で、堂々の1位に選ばれているほどだ(※選ばれたのはロサンゼルスのビバリーヒルズ店)。
ロサンゼルスの「牛角」については、昨年7月、焼肉の本場・韓国の朝鮮日報に「
ビバリーヒルズの『牛角』に学ぶこと」とのコラムが掲載されている。韓国料理だった焼肉が「包装・食器・店のインテリア・従業員の立ち振る舞い・注文方法」などの部分に日本のスタイルを徹底することによって、日本の食べ物の1つとして認識され始めており、海外でも成功をおさめている……と、大まかにはそんな内容だ。米国での「牛角」の成功は、韓国人の目には衝撃的に写ったのだろう。
さて、前置きが長くなったが、実はこのロサンゼルスの「牛角」に、最近結婚したばかりのマライア・キャリー夫妻が訪れたと、米国のゴシップ情報サイト「ABC振興会」が伝えている。現地では「高級レストランにふたりでやってきた」と報じられていたものの、実際に訪れたのは「牛角」のビバリーヒルズ店だったそうだ。日本での「牛角」は「安くても美味しい」のイメージが強いだけに、「ホンモノのセレブであるマライア・キャリーが訪れた店」と聞くとギャップに戸惑ってしまうが、前述のように、それが米国における現在の「牛角」の立ち位置ということなのだろう。
ちなみに「ABC振興会」によれば、FOXで1位に選ばれてからは、ビバリーヒルズ店は「予約も取れない店」になってしまったそうだ。FOXが認め、マライア・キャリーも食べた「牛角」の焼肉。そんなことを思い浮かべながら「牛角」に行くと、また違った気分で楽しめるかもしれない。