米大リーグで2年目のシーズンを迎えたニューヨーク・ヤンキースの井川慶投手。今季は開幕をマイナーで迎えるという屈辱を味わい、3Aスクラントンでも不調が続いていたが、井川投手以上に不振だったイアン・ケネディ投手のマイナー落ちに伴い、5月9日にようやくメジャーへ昇格した。
しかし、2試合に先発させることを明言していたジョー・ジラルディ監督の期待を裏切り、今季メジャー初先発のデトロイト・タイガース戦では3回0/3を投げて11安打6失点の大乱調。メジャー自己最短KO&最多被安打という大失態を演じてしまったのだ。
今季初先発の相手がメジャー屈指の強力打線を誇るタイガースだったこと、一回に打球が右腰を直撃するアクシデントが起きたことは気の毒だが、変化球が決まらず直球主体の投球内容では、タイガースが相手でなくとも打ち込まれるのは必至。ジラルディ監督は「唯一よかったことは、ストライク率(.640)が高かったことだ」(サンケイスポーツより)とかばう発言をしたものの、5月12日には同15日のタンパベイ・レイズ戦に予定されていた先発から外した。これを受けて、3Aで活躍したケネディ投手の再昇格が決定したため井川投手のマイナー落ちは確実で、再昇格は困難という非常に厳しい状況を迎えている。
井川投手は5月12日のレイズ戦で中継ぎとして待機していたが、登板機会はなし。試合終盤にはブルペン後方であぐらをかいたり、寝転んだりする姿を見せていた。その井川投手に対して、地元紙ニューヨーク・ポストが「4600万ドル(約48億円)のモップ」と酷評している。
同紙は「『モップ』は日本語でも英語でも同じ意味だ」「マイナー落ちするまでブルペンで任されている井川慶の新たな役割に、翻訳は必要ない」とし、「4600万ドルの“モップアップ(敗戦処理)”投手は、7-1で負けた昨晩のレイズ戦でも出番がなかった」と揶揄した。これを受けて、米国のヤンキースファンのブログなどでは「さよなら、井川“ザ・モップ”慶」といった書き込みがされている。
その一方で、同紙はジラルディ監督の「彼はかなり落ち込んでいると思うが、チームは先発左腕として期待している」とのコメントも掲載。再度メジャー昇格する可能性はゼロではないようだ。3Aでケネディ投手以上に活躍して不名誉なニックネームを払拭し、再びメジャーのマウンドで登板することを期待したい。