空の旅の真っ最中、パイロットやフライト・アテンダントが最優先すべきことは? と聞かれたら、まず頭に浮かぶのが「乗客の安全」。誰が考えても、そうだと思うのですが……。
それとも、それはお金を払って飛行機に乗るんだから当たり前……、というおごりなんでしょうか? 時にはこのコンセプトが真っ向から無視されることもあるわけで。しかもそれがパイロットによる行為だったとすると、大問題になっちゃいます。先日NY在住の男性が起こした訴えの内容も、あまりにも理解に苦しむ一件なのでご紹介しましょう。
「ジェットブルー」という、米国内線をとりあつかう航空会社があります。先日この企業が運行するサンディエゴ−ニューヨーク間のフライトの最中に、事件は起こりました。パイロットが、なんと乗客のひとりゴークハム・ムトルさんから座席を一時取り上げ、強制的にトイレの個室に閉じ込めたというのです。
しかもその理由というのがまたスゴイ。開いた座席をなんとフライト・アテンダントにあてがうためだったのです。しかしなぜムトルさんひとりがこんなことをされたのでしょう? 実はムトルさんはこの便を利用するのに、同航空会社の社員が友人らにプレゼントすることが出来る、割引航空券を使っていました。どうやら他の乗客より破格のディスカウントで飛行機に乗っているのだから、少しぐらいの不都合は我慢しろ、という態度だったようです。
実際パイロットの態度はかなり傲慢だったらしく、
「これはオレの飛行機だ、だからオレの指示に従ってもらう。(割引航空券で)このフライトに乗せてもらっただけでも感謝しろよっ!」
とムトルさんにいったとか、いわなかったとか……。彼は結局反論しきれずに、荒い気流の中を飛行する間、トイレの座席でシートベルトもなく、不安な気持ちいっぱいで3時間を過ごしたそうです。それってかなり……(汗)。
ムトルさんが起こした訴えに対し、「ジェットブルー」側からの公式コメントはまだありません。でもカスタマー側からみれば、ちゃんと説明しろっって憤慨してしまいますよね、まったく。