オープン戦を防御率0.00で乗り切り、レンジャーズの首脳陣から高い評価を受けて開幕を迎えた福盛和男投手。でも、3月31日のマリナーズとの開幕戦でいきなり「炎上デビュー」(1/3回を投げて2安打2四球3失点)を飾り、4月11日のブルージェイズ戦(3試合目の登板)では1/3回を投げて4安打1四球3失点と再び炎上してしまう。この結果を受けて13日には早くもマイナーに降格。24日にメジャー再昇格を果たして即登板も、2回1/3を投げて5安打3失点と打ち込まれ、26日にはまたマイナーへ降格していた。
「普通にいけば通用せんわ。直球とフォークしかない投手だから。フォークは見極められるとボールになる」。昨季までの上司である楽天の野村監督はそう「予言」し、また、横浜時代から福盛投手を見ている野球ファンからも「メジャークラスの選手ではない」との評価が大勢を占めていたが、残念ながら現時点では、その通りの結果となってしまっている。
そして、ストッパーへと繋ぐセットアッパーの役割を福盛投手に任せるつもりだったレンジャーズの構想も崩壊してしまい、チームはア・リーグ西地区の3位(4球団中)と低迷中だ。そのため、新戦力を掘り起こすべくマイナーの選手との入れ替えが激しくなってきているが、福盛投手にもその余波が到来。メジャーの試合に出場するために登録される「40人枠」から外されることになってしまった。レンジャーズから「期待外れ」の烙印を押され、事実上の「戦力外」に近い扱いだ。
まだ解雇ではないため、福盛投手はレンジャーズのマイナーチームに籍を置いてプレーするか、他球団に放出されることになるが、4試合に登板し、0勝0敗、防御率20.25という成績を考えると他球団が手を挙げる可能性は低く、再びメジャーに昇格するのは険しい道のりと言わざるを得ない。
福盛投手は昨オフ、野村監督の大反対を押し切って楽天からFA権を行使し、2年総額300万ドル(約3億3,900万円=当時)の好条件でレンジャーズに移籍。福盛投手自身も自分が「並」の投手であることは自覚していたようで、各種インタビューなどでは、「自分レベルの投手が成功すればメジャーへの道が広がる」といった発言も見られたが、やはりメジャーは「並」のレベルでは通用しない世界だったのかもしれない。