町の新たな竜巻シェルター、ドアの鍵が開かずに住民避難できず。

2008/05/09 14:35 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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春から初夏にかけての今の季節は、米国ではいわゆるトルネード(竜巻)シーズンです。同国では、年間1,000個近くもの竜巻が観測され、死者が50人前後出るといいますから、結構なダメージですね。特に同国の中部地方は毎年被害が多く、その危険を未然に防ぐための警告システムなどが発達しています。ちなみに、竜巻警報(竜巻の出来やすい天候が近づいた場合、その地域に響きなるサイレン)がなった場合の基本は、「地下室に隠れる」です。

さて、アーカンソー州のアルマという町では、昨年公共施設として、竜巻避難用シェルターが作られました。自分の家や、運転中の車の中などにとどまっていては危ないと感じたら、住民がそこに身を寄せることが出来るという施設です。

そして先日、とうとうこの町にも今年初の竜巻警報が鳴り響いたのです……。急いで数名の住民がそのシェルターにたどり着いたのですが、ここで大きな問題が。なんとシェルターの入り口のドアにはガッチリと鍵がかかっており……。あぁ、入れません、入れませんってばぁっ!

このドアの鍵は、町の警察官が全員持ち歩いており、緊急の場合にはシェルターの一番近距離にいるポリスマンに、施設開場する手筈になっています。ところが当日は警察官全員が、他の任務で手が離せなかったとか。しかしここに集まっていた住民は、安全なシェルター内に入ることも出来ず、だからといってほかの場所にまた逃げるのも、もっと危ないかもしれない……。もう逃げ場ありません。

結局彼らはシェルターの近くで、嵐の去るのを待つしかなく、大雨と強風の中で立ち往生する羽目になったそうです(涙)。

幸い、けが人はでなかったようですが、今後はポリスのオフィサーたちには、ちゃんと連絡を密に取り合って、町民の安全を守ってもらいたいものです……(汗)。


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