プロ野球一の「やりくり上手」は西武、指数は最下位巨人の4分の1。

2008/05/08 21:27 Written by コジマ

このエントリーをはてなブックマークに追加


5月7日に、日本プロ野球選手会(宮本慎也会長=ヤクルト)が今年度の年俸調査を発表した。これは開幕時の支配下公示選手(742人)を対象としたもので、外国人選手は含まれていない。全体の平均年俸は前年を約78万円上回る3631万円で、2年ぶりに増額に転じたのだ。リーグ別ではセ・リーグが3955万円、パ・リーグが3301万円となっている。

球団別を見てみると、

1位 巨人 5510万円
2位 ソフトバンク 5450万円
3位 阪神 5277万円
4位 中日 5056万円
5位 ロッテ 3423万円
6位 横浜 3201万円
7位 西武 3026万円
8位 日本ハム 2951万円
9位 ヤクルト 2781万円
10位 オリックス 2559万円
11位 楽天 2365万円
12位 広島 1948万円

平均を上回っているのは4球団のみで、5位からガクンと下がっていることが分かる。特にエースと主砲が移籍したヤクルトと広島は大きくダウンしており、広島はここ10年で全球団初の2000万円割れとなったのだ。このコストで現在ゲーム差なしのリーグ5位につけているのは、大健闘と言えるのではないだろうか。

この年俸をもとに、夕刊フジが5月8日付の紙面で「やりくりコスト」なるものを発表した。それによると、最もやりくり上手なのは現在リーグ1位の西武で、広島がそれに続き、平均年俸5000万超の球団は軒並み下位。最も費用対効果が低いのは、巨人であることが明らかになった。

この「やりくりコスト」は、選手会発表の球団別総年俸に外国人選手の推定年俸を加え、それを5月7日現在の勝率で割った「やりくり指数」を比べたもの。球界最高年俸(推定6億円)の李承ヨプ内野手をはじめ、高額外国人選手を抱える巨人の年俸総額は、2位の阪神に13億円以上差をつける52億2800万円。平均も2位の中日(5800万円)を大きく上回る7500万円となっている。

「やりくりコスト」1位となった西武は、外国人選手を加えても平均年俸はそれほど上昇せず(3200万円)、やりくり指数は33.8億。最下位の巨人(同指数114.9億)の約4分の1となっている。また、広島(平均2200万円)は同指数34.0億で西武に肉薄しており、3位が楽天(同指数35.1億)、4位が日本ハム(同指数41.5億)など、いずれも平均年俸が7位以下の球団が上位を占めているのが特徴なのだ。平均年俸が5000万円超の球団では、阪神が6位(同指数54.3億)でトップだった。

同紙は、高年俸の李選手と上原浩治投手(推定4億2000万円)の不調が巨人のやりくり指数を高めていることを示唆しているが、西武の西口文也投手(同2億4000万円)も今季は0勝3敗、防御率7.27と苦しんでいる。

また、この指数を米大リーグに当てはめると、ニューヨーク・ヤンキースが439.9億で巨人の約4倍。一方、球団別年俸総額で最下位ながら現在ナ・リーグ東地区首位のフロリダ・マーリンズは39.5億と、日本ハム以上のコストパフォーマンスを実現しているのだ。


◎プロ野球12球団やりくり上手ランキング(夕刊フジ調べ)
1位 西武 33.8億 (21億9600万円)
2位 広島 34.0億 (15億2500万円)
3位 楽天 35.1億 (17億5400万円)
4位 日本ハム 41.5億 (21億2800万円)
5位 ヤクルト 50.9億 (22億9900万円)
6位 阪神 54.3億 (39億400万円)
7位 ロッテ 60.5億 (27億2400万円)
8位 中日 60.6億 (38億3400万円)
9位 オリックス 60.8億 (24億3200万円)
10位 ソフトバンク 77.2億 (38億6200万円)
11位 横浜 82.8億 (24億100万円)
12位 巨人 114.9億 (52億2800万円)
※カッコ内は外国人を含む推定年俸総額

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.