元イングランド代表のガスコイン選手が自殺未遂、英紙が一斉報道。

2008/05/06 23:32 Written by ナリナリ編集部

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天才的なプレーでファンを魅了し、世界中を熱狂の渦に巻き込んだサッカー選手が、現役引退後に不幸な人生を歩む例は少なくない。有名なところでは元アルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナ選手。現役時代に「神の子」と呼ばれたマラドーナ選手は、引退後にドラッグ依存や肥満に悩まされ、たびたび死亡説も流れたほどだった(ただし、現在はテレビの司会などで活躍、再び国民的なスターとして名声を得ている)。

そうした現役時代の栄光から転落したサッカー選手に、かつてイングランド代表で個性派選手として活躍したポール・ガスコイン選手がいる。80年代後半から90年代にかけて「国民的ヒーロー」「イングランド史上最高のスターの一人」と呼ばれたガスコイン選手は、約10年に渡り代表の中心選手で在り続け、W杯を含め代表戦57試合に出場。豊富なテクニックと豪快かつ大胆な動き、そして想像力溢れるファンタスティックなプレーにファンは魅了されたものだ。1990年代のサッカー界を彩った名選手の一人として、今なお名前を挙げるファンは多い。

でも、ガスコイン選手は現役時代から気性や素行の面にやや難があり、数々のトラブルを引き起こすことでも有名な選手だった。行方不明騒動や監督として就任したクラブとの衝突、傷害事件などなど。引退後はそうした問題行動ばかりが注目されるようになり、ファンの目には「転落」と映るようになっていく。そして、ガスコイン選手自身も次第に心を病み、うつ病を患ってしまった。

今年2月には滞在していたホテルで騒動を起こし、イギリスの「精神保健法」に基づいて精神病院に強制入院させられてしまったことも。3週間の入院期間には、電気ショックによる治療などを受けたそうだ。退院後は普通の生活に戻っていたのだが、残念なことに、5月4日の夜、ガスコイン選手が自殺を図ったと英紙が一斉に報じた。

英紙の情報を総合すると、ガスコイン選手はロンドンのホテルで、従業員に手首を切るためのステーキナイフを求め、さらにはバスタブに身を投じて死のうとしていたという。幸いにも駆けつけた警察によって救助され、一命を取り留めたのだが、再び病院に入院することになり、精神鑑定を受けたそうだ。

現役時代とはあまりに対照的な、ガスコイン選手の現況。マラドーナ選手のように立ち直る術があるのかどうかも含めて不透明な状況だが、いずれこの「底」を抜け出し、元気な姿を、そして良いニュースをファンに届けてくれる日が来ると願いたい。

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