日本のドラマ「大奥」が中国で大人気、現地ネット掲示板でも絶賛。

2008/04/14 21:49 Written by コジマ

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江戸時代、将軍家に関わる女性が住んでいた江戸城の大奥を舞台に、さまざまな人間模様を描いたフジテレビ系ドラマ「大奥」。アイドルや若手女優を積極的に起用したことからも話題となり、2003年放送の後も04年に「大奥〜第一章〜」、05年に「大奥〜華の乱〜」の続編が制作され、スペシャルドラマも放送。さらに、映画化や舞台化されるほどの人気を博したのだ。

そんなドラマ「大奥」が中国でも放送され、大人気番組になっているという。中国では衛星放送局「湖南電視台」が4月3日から放映を開始したところ、いきなり全国視聴率1位を獲得。同7日放送分は、視聴者数2000万人超を記録したのだとか。中国では以前から自国の「紫禁城 華の嵐」と韓国の「女人天下」という、それぞれの国の「後宮」を扱ったドラマが放送されていたため、「大奥」がヒットする土壌が作られていたとする分析もあるのだとか。

こうした中で、中国最大手の検索サイト「百度」の掲示板ではこの「後宮ドラマ」3作品を比較するスレッドが立てられており、そこをのぞいてみると、「『大奥』を日本版『紫禁城 華の嵐』と言う人もいるけれど、精巧な衣装と細かな演技はどう見てもゴミ香港ドラマと比較できないだろう」「もちろん『大奥』が一番。大作ながら緻密な日本ドラマに、香港と台湾のドラマは絶対に追いつけない」「『大奥』は精巧な作品。『女人天下』は同じ水準じゃないから話すまでもない」「『大奥』の衣装と音楽は最強だわ」など、絶賛するコメントが多数を占めているのだ。

その一方で、「『大奥』は出演者がきれいだけど、ストーリーがいまいちなのがちょっと残念」「作りが精巧で、映像が美しいだけ。中国作品に比べたら拙い」「外国を崇拝する人たち、あんたらはそれでも中国人なの?」といった否定的な意見も。また、「このドラマを見ると女性たちを怖く感じる」「日本の女性が一番残酷だ。地位と権力のために躊躇せずに人を殺せる!」「人生は自分で勝ち取らなくちゃって思える」といった内容に関する感想も寄せられている。

韓国の「イーデイリー・SPN」によると、こうした「大奥」などのヒットにより中国では日本ドラマに対する評価が相対的に高まっており、現地の各テレビ局では「女子アナ。」「電車男」「医龍−Team Medical Dragon−」(すべてフジテレビ系ドラマ)などの放送を次々に決定。06年に比べて昨年は日本ドラマの輸出額が30%以上増加したが、今年はさらに上回ることが予想されている。それに対し、韓国ドラマは素材や内容の類似点が多いため「クローン」と揶揄され、逆に30%減少したという。

「中国で人気」というと違法な複製が心配されるものの、食品やチベット、北京五輪などさまざまな問題で殺伐としている日中間にとって、こうした文化面での交流は歓迎すべきことではないだろうか。日本のドラマが評価されていることに、うれしさを感じてしまうのだ。

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