野茂英雄投手が1000日ぶりに登板、松井秀喜外野手との対戦も。

2008/04/11 18:07 Written by コジマ

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1994年に近鉄(当時)を退団し、米大リーグのロサンゼルス・ドジャースに入団した野茂英雄投手。移籍初年から13勝6敗、防御率2.54の好成績を収めて新人王に選出され、236奪三振でタイトルを獲得、オールスターに出場するなど、日本選手が大リーグでも十分に通用することを証明した。日本人メジャーリーガーとしては、64〜65年にサンフランシスコ・ジャイアンツで活躍した村上雅則氏に続く2人目だったものの、現在まで続く日本選手メジャー挑戦の嚆矢となったのだ。

そんな野茂投手もここ数年は思わしい成績を上げることができず、06年にシカゴ・ホワイトソックス傘下の3Aシャーロット・ナイツを退団後は、右ひじの遊離軟骨除去と腱の整復をする手術を受け、昨季はどこの球団にも所属せずリハビリに専念。日米通算201勝を挙げている投手としては少々さびしい状態で、39歳という年齢からもたびたび引退説が流れていたのだ。

ところが今季、日本ハムで指揮を執っていたトレイ・ヒルマン監督率いるカンザスシティ・ロイヤルズとマイナー契約し、4月5日にメジャー昇格した。自身も公式サイトで「とにかく嬉しいです。キャンプでチャンスをくれ、自分を選んでくれた球団に感謝しています。投げるのを楽しみにしています」とコメントしていたのだ。

そして迎えた4月10日のニューヨーク・ヤンキース戦、ちょうど1000日ぶりにメジャーのマウンドに戻ってきた。1-4で迎えた七回に2番手として登板した野茂投手は、復帰初球でいきなりアルベルト・ゴンザレス内野手に被安打。2アウトをすぐに奪ったものの、アレックス・ロドリゲス内野手、ホルヘ・ポサダ捕手と連続で四球を与え、満塁のピンチを迎える。ここで登場したのが、この試合で「五番右翼」で先発出場していた松井秀喜外野手だった。

野茂投手と松井選手はこれまで12回対戦しており、野茂投手は2度三振を取っているものの、10打数5安打で打率.500、3点本塁打1本を含む5打点と松井選手が有利なデータが出ている。ところが今回は左飛に討ち取り、野茂投手に軍配が上がったのだ。

八回も無失点で切り抜けたものの、3イニング目となる九回には2アウトからロドリゲス選手とポサダ捕手に連続被弾。チームメイトの援護射撃もなく、そのまま1-6で敗れてしまった。ただ、最後の打者である松井選手に対しては意地を見せ、空振り三振に仕留めている。

試合後、野茂投手は「今までと変わらずにマウンドに上がれた。(3年ぶりの感想は)特にないです。全体的にボールが先行したし、打たれた球も甘かった。(3イニング目も)状態は問題なかった。できればゼロに抑えて最終回を迎えたかった」(サンケイスポーツより)とコメント。野茂投手らしい飄々とした語り口ながら、悔しさをにじませているのだ。

一方、ヒルマン監督は「Aロッド(ロドリゲス選手)に打たれた球は、落ちないフォークだった。ほとんどのフォークは落ちていたから、仕方がない」(MAJOR.JPより)と、今回の成績が今後の登板に支障ないことを示唆した。また、女房役のジョン・バック捕手は「(最初の2イニングは)すごく良かった。(3イニング投げたのは)少し長過ぎたんじゃないかな。しばらく実戦から遠ざかっていたし」(同)とフォローしている。復帰戦は、ほろ苦い内容になってしまったけれど、今後も野茂投手の雄姿が拝めそうなのだ。

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