3月28日開幕したプロ野球のセ・リーグ。接戦を繰り広げているパ・リーグに対して、5試合を消化した時点で3球団ずつ明暗がくっきりと分かれている。その中でも、オフに大型補強を敢行した巨人は、エースと主砲を“強奪”されて燃えるヤクルトに3連敗を喫した後、中日にも2連敗中。創立75年目に、球団史上最悪の開幕5連敗という不名誉な記録を打ち立ててしまったのだ。

主力の手術やケガで1軍合流が遅れ、開幕戦で二岡智宏内野手が戦線離脱するなどのアクシデントが続いたこともあるけれど、補強に次ぐ補強で完成した主砲級がズラリと並ぶ強力打線は沈黙。投手陣も大量失点が目立ち、チーム打率は現在リーグ最低の.215、防御率もリーグ5位の6.00となっている。原辰徳監督やコーチ、選手だけでなく、清武英利球団代表もかなり落ち込んでいる様子なのだ。

そんな不甲斐ない巨人に対して、ついにファンが激怒した。「紳士的」であるはずの巨人ファンが、4月2日の中日戦終了後、スタンドから「原、出てきて謝れ！」「金返せ！」「人さまに見せられる野球をしろ！」（スポーツニッポンより）という容赦ない罵声が浴びせたというのだ。これに対して原監督は、足早にベンチを去ったという。

スタンドからの罵声といえば、チーム低迷期の阪神ファンや先日のJ1浦和のサポーターが印象的だけど、今回の巨人ファンはグラウンドに乱入したり終了後長時間居残ったりはしなかった模様。ただ、サンケイスポーツにも「開幕でヤクルトをなめたツケだよ。監督とコーチの責任に他ならないでしょう」「二岡がいなくなったんだから、谷を2番にするべきじゃないの。原さん、変に意地になってない？」といったファンの声が掲載されており、原監督の采配に不満が募っているのは確実のようなのだ。

ネットでは巨人に対する批判が多数を占めているものの、中には「5連敗くらいで怒るな」という他球団ファンと思しき声や、「もっと具体的な抗議をしないと意味がないだろう」という冷静な意見も散見される。「上原も内海もいいピッチングをしていた。打線が援護していたら勝っていたよ。あと少しの辛抱じゃないかな」（サンケイスポーツより）と我慢強いファンもいるようだけど、今後も改善されないようならば、ファンが浦和サポーターのような抗議行動に出る可能性も考えられるのだ。

ちなみに、プロ野球が順位決定を行うようになって以降、開幕5連敗以上した球団はこれまで延べ42チームあり、その中で優勝したのは60年の大洋（現横浜）だけ。優勝確率は2.4％なのだとか。