藪恵壹投手の開幕メジャー入り決定、ジャイアンツで3年ぶり復帰。

2008/03/31 12:59 Written by コジマ

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イチロー外野手(シアトル・マリナーズ)の不振、松井秀喜外野手(ニューヨーク・ヤンキース)の開幕先発メンバー入り危機など、日本人選手の明るい話題の少なかった米大リーグの春季キャンプ。さらに、桑田真澄投手(ピッツバーグ・パイレーツ)が引退を表明し、井川慶投手(ヤンキース)、野茂英雄投手(カンザスシティ・ロイヤルズ)、大家友和投手(シカゴ・ホワイトソックス)は開幕マイナーが確定。松井稼頭央内野手(ヒューストン・アストロズ)はでん部手術で故障者リストに入り、シカゴ・カブスを戦力外通告された高津臣吾投手はシカゴ・ホワイトソックスの入団テストを不合格になっているのだ。

こうした中で、サンフランシスコ・ジャイアンツの招待選手として春季キャンプに参加していた藪恵壹投手が、開幕ベンチ入りの25人に選出されたことが明らかになった。メジャー移籍した2005年以来となる3年ぶりの復帰は、日本のファンにとって松井選手の結婚に続く明るい話題となったのだ。背番号は「22」に決定した。

05年オフにオークランド・アスレチックス(40試合、4勝0敗1セーブ、防御率4.50)を自由契約になった藪投手は、06年にコロラド・ロッキーズへ移籍したものの開幕を迎える直前に解雇され、同年はメキシカンリーグのティファナ・ポトロスでプレー(11試合、0勝0敗5セーブ、防御率3.00)。昨季はどこの球団にも所属せずメジャー復帰を目指してトレーニングに専念し、米アリゾナで行われたトライアルでロイヤルズとジャイアンツから2008年の春季キャンプへ招待を受けていた。

ジャイアンツを選択し、「もう、後戻りはできない」(公式サイトより)という気持ちで臨んだ春季キャンプ(オープン戦)では9試合に登板して、0勝1敗、防御率4.11。大成果を挙げたわけではなく、本人も公式サイトで「今持てるものを全て出し尽くしたいと思います。結果は、『神のみぞ知る』。。。」としていたのだけど、故障者の続出とロングリリーフ投手としての役割が認められて開幕ブルペン入りとなったとのこと。藪投手の代わりに、11年目のベテラン左腕スティーブ・クライン投手(昨季68試合、1勝2敗2セーブ、防御率4.70)がマイナー落ちしている。

ジャイアンツはエースのバリー・ジート投手を筆頭に、ティム・リンスカム投手やマット・ケイン投手、ノア・ロウリー投手と先発の駒をそろえながらも、中継ぎと抑えに絶対的な存在を欠いている状態。今オフにボルティモア・オリオールズから獲得した2投手も春季キャンプ中にマイナー落ちとなり、この危機を救う人物として藪投手に白羽の矢が立ったようなのだ。

ただ、ブルペンだけでなく、バリー・ボンズ外野手とペドロ・フェリス内野手の退団によって攻撃力のさらなる弱体化が指摘されている。中継ぎとはいえ、藪投手は阪神時代同様、好投しても援護射撃に恵まれない可能性があるかも。ちなみに、米誌スポーツ・イラストレーテッドの予想では、ジャイアンツはナ・リーグ西地区のダントツ最下位とされている(ただし、同誌の予想は外れることで有名)。

とはいえ、今季マイナー契約し春季キャンプに招待されていた日本人選手で唯一の開幕メジャー入りは、日本のファンにとってうれしいニュース。藪投手本人も本拠地AT&Tパークについて「ものすごく投げやすかった」(公式サイトより)としているので、活躍を期待してしまうのだ。

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