敗戦の日本代表に選手から不安の声、岡田武史監督は独自路線へ。

2008/03/28 22:13 Written by コジマ

このエントリーをはてなブックマークに追加


3月26日に行われたワールドカップ(W杯)アジア3次予選第2戦で、バーレーン(アウエー)に1-0敗れたサッカー日本代表。第2期岡田武史監督体制になってから初の敗戦で、予選第2グループで2位に陥落してしまった。中村俊輔選手と稲本潤一選手の招集に失敗し、高原直泰選手もケガで欠いた状態とはいえ、国際サッカー連盟(FIFA)世界ランキング82位の格下(日本は36位)相手の敗戦。ファンだけでなく、イビチャ・オシム前監督や日本サッカー協会(JFA)の川淵三郎キャプテンからも批判を浴びたのだ。

この敗戦に対して岡田監督は、試合後に「考えていた最悪のシナリオになってしまい、非常に残念だ」としながらも、「今度ホームで勝てばいい。予選はまだまだ続くし、時間もある。十分やっていけると思っている」(日本サッカー協会公式サイトより)と語った。また、選手たちは軒並み反省の言葉を述べていたのだ。

ところが、その選手たちから不安の声が漏れているのだとか。日刊スポーツよると、試合後のミーティングが開かれなかったことから選手たちは困惑しており、「この中盤でどう(攻撃を)組み立てるのか。迷いながらやっていた」「(監督との)話が少ないのかも」(日刊スポーツより)のほか、抽象的な説明しかしない岡田監督に対して「今まで(オシム体制で)できていたものができない。悪いサッカーだろうが、勝たなければ自分たちの責任」(同)と語る選手もいたのだとか。オシム前監督時代にまとまっていたチームが、崩壊していることを感じさせるのだ。

こうした中で3月28日に開かれたスタッフ会議で、岡田監督はW杯予選の直前で変更するにはリスクがあったためこれまでオシム前監督のやり方を踏襲してきたが、「これからはおれのやり方でやる。(敗戦は)高い授業料だったが、これで吹っ切れた」(共同通信より)と述べ、今後は独自指導に切り替える意向を示したのだ。

大幅な選手の入れ替えやスタッフの変更は否定したものの、「我慢してきたこともいろいろあった」(同)とし、例として「いままで人につくようなDFをしてきたが、本来、僕はやっていない」(サンケイスポーツより)ということを挙げ、オシム前監督が行ってきたマンツーマンDFから自身が得意とするゾーンDFに切り替えることを表明している。

岡田監督のゾーンDFは1998年のW杯フランス大会や横浜M時代に威力を発揮しており、作戦を切り替えることによって日本代表の守備力強化につながる可能性もある。しかし、オシム前監督体制をスケープゴートにした責任回避とも取れる発言に、ネットではさらに批判が噴出。「この前のはどうみてもオシムのサッカーじゃなかった」という声が多数を占めているのだ。

6月はW杯3次予選の4連戦が行われるけど、岡田監督の決断が良い方向に出るのか、さらに代表選手の変更があるのかが注目される。選手たちの不満から監督を解任した浦和のような状態にならなければよいけれど……。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.