桑田真澄投手が現役引退表明、「ここで燃え尽きることができた」。

2008/03/27 00:19 Written by コジマ

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2006年オフに米大リーグ、ピッツバーグ・パイレーツとマイナー契約し、オープン戦でのケガを乗り越えて昨年6月にメジャーデビューを果たした桑田真澄投手。同年8月には戦力外通告を受けて引退を示唆していたものの、今季も再びパイレーツとマイナー契約し、招待選手として参加している春季キャンプでメジャー昇格を目指している。まもなく40歳になる“元オールドルーキー”の再挑戦は、昨季同様、多くの人々に勇気を与えているのだ。

そんな桑田投手、自身のブログでは「選択、そして、決断」という気なる内容のエントリーをしていたのだけど、3月26日放送のTBS系「筑紫哲也 NEWS23」の単独インタビューで開幕メジャーに残れなかったことを明かし、現役引退を表明した。

右足首を手術してメジャー昇格を目指していた桑田投手は、春季キャンプで2度のカットにも残留。しかし、地元紙からは当確選手を除く投手の残り3枠に残留することは難しいとされていた。最大のライバルであるキム・ビョンヒョン投手を解雇した場合、チームが違約金30万ドル(約3000万円)を支払わなければならないなど、実力以外の理由も挙げられていたのだ。

「NEWS23」のインタビューに対して、桑田投手は「ここまで結果も内容も良くて、手術した足首もすべて順調に来たが、開幕メジャーに残れなかった」と最終カットで残留できなかったことを明かし、マイナーや他球団でプレーする気持ちがないとして引退を明言した。自身もマイナーでプレーする気持ちはもともとなかったようだけど、ニール・ハンティントンGMからマイナーに行ってもメジャー昇格はないと伝えられたことなども明かしている。

昨年9月にデーブ・リトルフィールド前GMに代わって就任したハンティントンGMは、桑田投手の今季マイナー契約前の昨年11月に「チーム構成を検討し、彼がメジャーに入るチャンスがない状態で契約をするような悪い状況に陥れたくない」(スポーツ報知より)と語っていたのだけど、どうやら気持ちが変化した模様。「何で契約したんですかね」という同番組記者の問いかけに対し、桑田投手は「分かんない。しょうがないんじゃないですかね」と苦笑している。桑田投手の獲得に尽力したリトルフィールド前GMが解任されていなければ、もしかしたら状況は変わってたかもしれない。

今回のカットについて、桑田投手は「野球の神様のお告げ」として「長くやればいいものではない。自分の気持ちが納得すればそれでいいと思う」と語り、「ここで燃え尽きた」「何一つ悔いはない」といった気持ちになれたという。記者の「本当にもう投げないんですか?」という確認に対しては「もう十分やらせてもらった」と答え、「野球から本当にたくさんの幸せをもらった。野球によって自分の人間力を磨いてもらった」「野球が好きだというのが、自分の誇り」と野球への感謝の気持ちを表した。今後については「野球界の後輩たちを1人でも多く育てていければいいと思う」と述べている。

また、野球人生の一番の思い出として1995年に右肘側副靱帯断裂のために手術したことを挙げ、「選手としては非常に厳しい状況となったが、人間的にはあの手術で鍛えられた」と桑田投手らしいコメントを残した。

先日、毎日新聞が行った「センバツ 記憶に残る投手」でも3位に選ばれたように、PL学園時代から人々に感動を与え続けた桑田投手。引退はとても惜しいことだけど、これまでのプレーに感謝しつつ、その決断を受け入れたいのだ。

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